2017 Fiscal Year Research-status Report
思考の反覆による深い学びを創出する聴覚障害児のための算数・数学の授業過程の解明
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17K01014
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
森本 明 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (60289791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江森 英世 群馬大学, 教育学部, 教授 (90267526)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 思考の反覆 / 深い学び / 聴覚障害児 / 算数・数学の授業過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、思考の過程を振り返り本質を明らかにする思考の反覆による深い学びを創出する聴覚障害児のための算数・数学の授業過程の解明にある。この目的を達成するために、次の3つの下位目標を設定して、研究を進めていくことにする。 目標(1) 聴覚障害児における数学的思考の反覆に伴う困難性の同定と特性の分析(期間 平成29年4月~平成30年度3月) 目標(2) 反覆による深い学びを創出するために、聴覚障害児にとって思考の過程を再生する助けとなる反復性・持続性ある記号や言語を媒介とする活動の同定と特性の分析(期間 平成30年4月~平成31年度3月) 目標(3) 聴覚障害児特有の言語活動を生かした聴覚障害児のための算数・数学の授業過程と教師の役割の同定と特性の分析(期間 平成31年3月~平成32年度3月) 平成29年度は目標(1) 聴覚障害児の数学的思考における反覆に伴う困難性の同定と特性の分析について解決を行った。聴覚障害児の数学的思考の発達では、思考の過程を振り返り本質を明らかにする思考の反覆に課題がある。聴覚障害児における思考の過程を振り返り本質を明らかにする思考の反覆に伴う困難性の同定と特性の分析を中心課題として、研究を進めた。思考の反覆に伴う困難性の同定と特性の分析においては、授業過程における聴覚障害児における数学的な見方・考え方に着目して、数学的に問題発見・解決するプロセスにおいて、思考の反復に伴う困難性と特性の分析することとした。その成果として、「既習の数学の知識との関連付け」と「数学的に表現すること」、「統合的、発展的に考察すること」に伴う困難性について今後更なる検討をすることが必要かつ重要であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
思考の過程を振り返り本質を明らかにする思考の反覆による深い学びを創出する聴覚障害児のための算数・数学の授業過程の解明という本研究の目的を達成するために、平成29年度は、聴覚障害児における数学的思考の反覆に伴う困難性の同定と特性の分析を行った。授業過程における聴覚障害児における数学的な見方・考え方に着目して、数学的に問題発見・解決するプロセスにおいて、思考の反復に伴う困難性と特性の分析をし、成果として、「既習の数学の知識との関連付け」と「数学的に表現すること」、「統合的、発展的に考察すること」に伴う困難性について今後更なる検討をすることが必要かつ重要であることを明らかにした。研究計画調書に記した研究計画に基づいて、平成29年度は作業が行われていると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は目標(2)思考の反覆による深い学びを創出するために、聴覚障害児にとって思考の過程を再生する助けとなる記号や反復性や持続性ある言語を媒介とする活動の同定と特性の分析について解決を行う。音声には反復性・持続性がない。反覆の具現化を図るためには、手話をはじめとする聴覚障害児にとって思考の過程を再生する助けとなる反復性・持続性ある記号や言語を媒介とする活動により、思考の過程を振り返る過程が必要かつ重要であると考える。平成30年度は、思考の反覆に伴う困難性を克服するために、手話をはじめとする聴覚障害児特有の言語を媒介とする活動の同定と特性の分析を中心課題として、研究を進めていくことにする 。
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