2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K01016
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
日比野 拓 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (60513835)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教材開発 / 高等学校生物基礎・生物 / 教材実践 / 免疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高等学校生物基礎・生物の免疫の内容をより身近に感じさせ、生徒の興味関心を引き出す教材の開発と普及を行っている。本年度は(1)免疫のしくみを学習するゲーム教材「免疫理解で大冒険」の評価、(2)生体内で貪食作用を観察するプレパラートの設計と3Dプリンターによる試作品の制作を行った。 (1)このゲーム教材は、すごろくと手札となるカードを組み合わせて行うもので、プレーヤーがボードゲーム上の未開の地を冒険しながら、ワクチン、アレルギー、血清療法などを学習していくというものである。さいたま市の高校においてこの教材を用いた授業実践を行った。授業後にアンケートを実施し生徒(高校生21名)が免疫学に対する興味関心を高められたかを分析した。すべての生徒がこの教材に興味を持ち、また抗体の働きや血清療法のしくみを理解できたと回答した。身の回りの生活や社会と免疫とのつながりを意識できたかについては95%が肯定的な回答を行った。このカードゲーム教材は研究室のホームページで公開し、さらに日本比較免疫学会のJADCI news No.46紙面上で教材の概要説明を行った。 (2)貪食作用を観察するプレパラートの設計はShade 3D ver.14で行い、75 mm x 25 mm x 厚さ1.5 mmのプレパラートの中に2つの流路(ウニやヒトデ胚・幼生通行用、異物通行用)を作り、2つの中間点で胚・幼生と異物がぶつかって異物が体内へと挿入されることを想定し設計を行った。次にStratasys Objet30 Proを用いて試作品を3Dプリントアウトした。いくつかの試作品を作ってみたところ、流路の直径を最も狭い部分で0.1-0.2 mm、広い部分で1.0-1.2mmの幅で精巧に調整する必要があること、樹脂の透明性が顕微鏡観察に耐えうるか不明なこと、制作時に流路に挿入されたサポート材の除去が難しいことなど、いくつかの問題点が生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)開発した教材をもとに授業実践を行えていること、(2)普及を目指したPRをホームページ等で行っていること、(3)3Dプリンティングを行うための設計方法や機器の取り扱いについて修得し試作品が制作できていることなどから本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫学を題材とした新たな教材を開発し、高校生への実践と埼玉県内を中心に教員への配布を行っていく。
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Causes of Carryover |
購入すべき消耗品が2万3千円を超えるため次年度に使用することにした。
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Research Products
(4 results)