2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K01016
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
日比野 拓 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (60513835)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教材開発 / 食作用 / 免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
高校の生物基礎の教科書には、バッタやコオロギを使って食細胞を観察する実験が記載されている。ここでは異物を捉えた後の静止状態の食細胞を観察するのだが、食作用とはダイナミックな細胞の挙動であることを生徒に理解させたい。そこで生体内で食細胞が遊走し、異物を捉えて貪食する様子を、リアルタイムで観察することを可能にする動物を探した。棘皮動物は胚や幼生が透明であり、光学顕微鏡で生体内の細胞の挙動を観察することができる。今回、ウニ類に属するバフンウニとタコノマクラの胚・幼生を用いて実験を行ったところ、タコノマクラ胚は食作用を観察するのに適した動物であることが明らかになった。タコノマクラの間充織胞胚では、多核となった食細胞が、体内に挿入した油滴に対してすぐに遊走を開始し、60分以内でほぼすべての胚で食作用を見ることができた。このタコノマクラを多くの人に実験動物として利用してもらうために、タコノマクラの成体の採集と飼育方法、受精の方法、異物を体内に挿入する方法等を詳細に記載した(日比野拓 2018)、(Hibino, et al. 2019)。 3Dスライドガラスの作成については、スポイトでウニ胚やミジンコ等をスムーズにプレパラート作成できるような工夫を盛り込み、印刷を行った。この製作した3Dスライドガラスを用いて、教育学部の大学2年生44名を対象に実験を行い、有用性を確かめた。この結果は、平成31年1月に行われた日本生物教育学会第103 回全国大会にて、「観察の効率化を目指した「3Dスライドガラス」の開発」というタイトルでポスター発表し、さらに2月に行われたSSTA理科教育研究会ワークショップにて同研究を紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)食作用の実験においてタコノマクラの有用性を明らかにしたこと、(2)その成果を学会のニュースレターと査読有り論文にて公表をしたこと、(3)3Dプリンターを用いたスライドガラスを作成し教材実践を行ったこと、(4)その成果を学会発表と、現職教員のワークショップで紹介したことなどから、本研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫学を題材とした新たな教材を開発し、高校生への実践と埼玉県内を中心に教員への配布を行っていく。
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Causes of Carryover |
当初予定をしていた国際学会へ参加しなかったため、当該助成金を翌年度分として請求することにした。
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Research Products
(8 results)