2020 Fiscal Year Research-status Report
理系グローバル人材育成のための科学英語教材開発と小学校向け実践事例集の作成
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17K01032
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
種村 雅子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30263354)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 科学英語 / 物理教育 / グローバル人材 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の英語教育はどちらかというと文系の位置づけであることが多く,理系科目の英語に触れる機会が少ないのが現状である。そこで,当該研究では理系におけるグローバル人材育成に向けて科学英語教材の開発を行っている。日本では10年前から小学校で英語教育を扱うようになったことを踏まえて,科学英語を扱える小学校教員の養成を目指して,英語で理系分野の内容を教えることを目的として海外教育実習を行ってきた。しかしながら,昨年度は世界的な新型コロナウィルスの流行により,海外教育実習を実施できなくなった。そのため,当初の計画から変更する必要が生じたため,大学における授業の中で,これまでに開発した科学英語教材や理系分野の英語文献を使った授業実践を行うことにした。小学校教員を目指す学生や大学院生を対象として科学英語を使った授業を行った。 授業を実施する際にも,昨年度はコロナの影響でZoomを用いたオンライン授業となっていたため,従来のように学生が実験をしながら体験的に授業を進めることが難しくなっていた。そのため,オンライン授業でも実感を伴った授業が可能なテーマの選定を行う必要が生じた。これまでに開発した教材の中でも,大気圧の実験のような手ごたえを感じるような実験や簡易実験装置を学生が自ら工作をして実験するようなテーマは材料を配布することができないため,不向きである。そこで,パソコンの画面を通して演示実験を見ても実感できるような"Colored Shadows",さらにイギリスのThinking Scienceの中から幾つかのテーマを選んで,授業実践を行ったところ,学生からも好評で教育効果を感じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界的に新型コロナウィルスが流行して,海外教育実習は実施できなくなったため,当初の計画から変更の必要が生じたが,大学の授業で小学校教員を目指す学生を対象として,科学英語を取り入れた授業を実施することができたため,概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も新型コロナウィルスの収束が見込めないため,海外教育実習はできない。そのため,大学の講義で科学英語を用いた授業実践を試みる。また,例年おこなっている物理教育国際会議で実施している科学英語教材のワークショップも実施はできない見込みである。今後の教育スタイルの一つとして,オンライン授業での可能性を検討する必要が出てきた。これまでは演示実験ではなく,学生・生徒が実験できるような内容にこだわってきたが,コロナ禍で一般的になったZoomを利用したオンライン授業などの新しい時代の教育方法や教育内容を研究する必要があると考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの流行により,海外教育実習が実施できなかったことと,海外で開催される国際会議に参加することができなかったことにより,残額が生じた。しかしながら,コロナ禍におけるオンライン授業での教育方法のあり方について,新たに研究する必要が生じたので,今年度に使用する予定である。
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