2018 Fiscal Year Research-status Report
New Position of Energy and Environmental Education in ESD: Reconsideration from Local Perspective
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17K01043
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Research Institution | Takasaki University of Commerce |
Principal Investigator |
萩原 豪 高崎商科大学, 商学部, 准教授 (00539207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫃本 真美代 佐賀女子短期大学, その他部局等, 准教授 (90768508)
元木 理寿 常磐大学, 総合政策学部, 准教授 (10449324)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エネルギー環境教育 / 持続可能な開発のための教育(ESD) / 再生可能エネルギー / 従来型エネルギー / 原子力エネルギー / 地方創生 / 地域資源 / 防災・減災 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目(H30年度)は1年目に引き続き、地域におけるエネルギー環境教育の実践例あるいはエネルギー環境教育の題材調査について、研究代表者・研究分担者・連携研究者・研究協力者によって分担して進めた。また先行研究の整理も分担して行った。日本環境教育学会や日本エネルギー環境教育学会などの関連学会においてエネルギー環境教育に関わる先行研究や実践事例を幅広く収集した。その他、台湾において中華民国環境教育学会の年次大会への参加、国立台湾師範大学等の関連機関の訪問調査などを行った。 2年目の研究活動のうち、特筆すべきことが2点ある。ひとつは研究の視点に防災・減災をより強く意識したものに転じたことである。東日本大震災・福島第一原子力発電所事故の後、自然災害が発生すると電力供給の問題がクローズアップされるものの、マスメディアなどで取り上げられる割合は2011年以降、確実に減ってきている。2018年8月に発生した北海道胆振東部地震に研究協力者の一人が遭遇したこともあり、エネルギー環境教育の研究実践活動には、防災・減災の視点を組み入れることの重要性を研究グループとして再確認した。 もうひとつは、初年度の議論で出てきた「地域の特産品をテーマとした地産地消に着目した、地方とESDの視点を強調したエネルギー環境教育のプログラム」を開発である。研究代表者が2017年度に実施した群馬県の特産品である「桑茶」を食材に使ったレシピコンテストを、エネルギー環境教育のプログラムとしての改良を加え、これを実施するに至った。メディアに取り上げられるなど、一定の成果を上げることができたものの、エネルギー環境教育のプログラムとしてはまだ改良の余地がある。来年度も実施することにより、他の地域への応用も可能になるよう、さらなる改良を検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目までに取り組むべき基礎的な調査については、概ね予定通りに進めることができた。しかしながら、研究代表者および研究分担者の本務との関係から、1年目に実施したものと同程度の作業量には達することができなかった。これについては、すでに1年目に2年目に実施を予定していたものを先行して進めていたため、研究計画はほぼ順調であると言える。 1年目の研究成果から導き出した「地方とESDの視点を強調した新しいエネルギー環境教育のプログラム」の開発と実践については、2年目に特に重点を置いた研究成果として挙げられる。地域の特産品(地域資源)の地産地消に着目し、群馬県の特産品である桑茶をテーマとしたオリジナルレシピコンテスト「桑わんグランプリ in 群馬 2018」を実施した。実施までの時間と人的資源などが非常に限られており、実施するには多くの困難があったものの、一定の成果を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに引き続き、理論・実践調査チームおよび地域調査チームにおいて、それぞれの調査活動を行っていく。従来型エネルギー・再生可能エネルギー・原子力エネルギーという3種類のエネルギー源に関するエネルギー環境教育の現状把握と分析、都市部(特に首都圏)と地方都市におけるエネルギー環境教育の視点の相違に関する現状把握および、それぞれにおけるエネルギー環境教育の取り組みについて、これまでの調査の不足分について現状把握を行う。 2年間の研究では、特にESDの視点および枠組みから、エネルギー環境教育の位置づけについて検討を行ってきた。近年の潮流としてSDGsが各所で触れられるようになったことからも、これまでの枠組みにSDGsも含めることが今後の課題として挙げられた。しかしながら、SDGsを入れることにより、焦点が大きくぼやけてしまう可能性があることも指摘され、この件については継続的に検討を行うことになった。本研究課題の主軸である「地方とESDの視点」をエネルギー環境教育にどのように組み込むことができるのか、また可能性として高いのかについて、最終年度はこのプログラム研究をさらに進めていく。
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Causes of Carryover |
研究代表者および研究分担者の本務校における業務との関係から、2年目の研究費を次年度に繰り越さざるを得なくなった。次年度繰越額については、研究分担者の追加分、および最終年度に向けての研究会の旅費、エネルギー環境教育のプログラム実施に係る費用に充当する予定である。
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Research Products
(3 results)