2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study of biodiversity conservation education for pre-school and elementary school children and lower secondary school students
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17K01048
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Research Institution | Kawamura Gakuen Woman's University |
Principal Investigator |
加藤 美由紀 川村学園女子大学, 教育学部, 准教授 (70706829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉本 宣 明治大学, 農学部, 専任教授 (60287886)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生物多様性 / 生物多様性保全 / 教科書 / 小学校 / 中学校 / オーストラリア / 都市の自然 |
Outline of Annual Research Achievements |
小学校学習指導要領と理科教科書には、生物多様性保全の用語の記載は見られないが、米国保全生物学会保全教育委員会の保全リテラシーのためのガイドラインの項目と小学校理科教科書との対応を調査したところ、種の多様性を中心とした生物多様性の概念に関する記載が見られた。生物多様性の保全に関しては、外国産の昆虫やペットなどの飼育に関する注意や、生態系の復元の事例、ビオトープや地域の自然環境保全活動の事例が紹介されており、児童がどのように行動すると,生物多様性を保全することにつながるかが示されていた。 日本より生物多様性保全についての科学教科書の記載が詳しい豪州では、Australia’s Biodiversity Conservation Strategy 2010-2020に、すべての小学生に生物多様性について教えることが記載されている。視察したビクトリア州の小学校低学年科学の時間に行われていた、校内の湿地を生かした観察を主とした多様性の学習と、湿地に飛来する渡り鳥を取り上げた物語や手紙を作製する表現活動が示唆に富むものであることを報告した。 教科書調査や視察内容を整理すると、生物多様性保全を身の回りの問題として捉えることが現段階で必要と考えられる。身の回りの植物の植生調査をもとに、小学校低学年までの表現活動、中学年からの観察を主とした多様性の学習、中学生に向けて時間軸を加えた植生調査の教材作成を検討した。観察の芽を養う現地の植物の写真をもとにした教材の作製,地域の自然に分布を広げる外国産の園芸植物を題材とした紙芝居やパンフレットを用いた普及教育活動の実践報告、及び、中学理科での方形枠を用いた植生調査の教材化について学会発表を行い、校内や地域の自然の中に生育している外来植物を、身の回りの生物多様性保全の問題として考える機会を学習内容に取り入れることを提案した。
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