2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a bio-literacy teaching material for environmental education
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17K01053
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
尾山 廣 摂南大学, 理工学部, 教授 (50221700)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 熱帯植物 / 種子 / タンパク質 / 耐熱性 / 塩基性 / 人工汚染水 / 浄水メカニズム / 環境教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
水質浄化は、発達段階に応じて様々な角度からアプローチできるテーマであり、環境保全の中核的な教材となる。本研究では、モリンガの種子粉末とその抽出液を用いた2つのモデル実験系を組立て、水の浄化の仕組みが理解できる実験教材を作成した。 (1)人工汚染水の浄化実験:モリンガ粉末の添加により、人工泥水では、土壌粒子の凝集が始まり、経時的に凝集塊の形成と沈殿が生じ、30分間以内に清浄化される。色素汚染水でも同様に清浄化されるが、色素の種類により凝集・沈殿の速度が異なる。大腸菌汚染水では、添加2日後で殆どの菌体を沈殿・除去できる。銅汚染水では、添加後2時間で大部分の銅イオンを沈殿・除去できる。 (2)浄化タンパク質の探索:モリンガ抽出液を用いた等電点分画では、高いpHの画分に浄化活性が見られる。陰イオン交換樹脂の精製では、高濃度のNaClで溶出された画分に浄化活性が見られる。さらに、これら画分のSDS-PAGE分析では、低分子側に2本のバンドが検出される。 (1)と(2)より、モリンガ種子粉末には水質汚染物である土壌粒子、色素、大腸菌および銅イオンを凝集・沈殿活性があり、浄化プロセスが目視できること、浄化活性成分が熱処理に安定なヘテロ2量体の塩基性タンパク質であることが理解できる。 以上より、①種子由来の浄化成分で安全である、②水質汚染物(泥、染料、細菌、重金属イオン)の除去が可視化でき、水道水の浄化過程が教室で再現できる、③汚染水は人工的に調製したものであり、河川水などより衛生的で且つ安全である、④種子の浄化成分の分析から、タンパク質の性質を調べる材料になる、⑤(1)は、小・中学校での環境学習教材として取り入れることができる、⑥(2)は、高校化学・生物を組合せた内容であり、探求学習の素材になる、⑦学習到達度レベルと機器や器具に応じて、実験項目を選択し、水環境の保全を学ぶ教材になる。
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Research Products
(3 results)