2018 Fiscal Year Research-status Report
数式処理とネットワークを対象にした教材開発支援ライブラリ
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17K01061
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
白石 啓一 香川高等専門学校, 通信ネットワーク工学科, 准教授 (80321503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高城 秀之 香川高等専門学校, 通信ネットワーク工学科, 准教授 (30261118)
粂川 一也 香川高等専門学校, 通信ネットワーク工学科, 准教授 (30313430)
村上 幸一 香川高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (40370035)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 数式処理 / ウェブブラウザ / LISP / ネットワーク構築演習 / ネットワークシミュレータ / ネットワーク仮想化 / 計算機仮想化 |
Outline of Annual Research Achievements |
数式処理とネットワークを対象にした学習コンテンツ開発ライブラリの開発を目的に,(1)数式処理ライブラリの開発,(2)ネットワーク構築演習ソフトウェアの開発,(3)通信ライブラリの開発,および,(4)各種演習教材開発を進めている。 (1)数式処理ライブラリの開発 : ウェブブラウザ上で数式処理システムを動作させるため,以下を実施した。C言語-JavaScriptトランスレータであるEmscripten処理系により,本研究で対象としている数式処理システムMAXIMAが推奨しているLISP処理系のコンパイルを試みた。H30年度,LISP-C言語トランスレータ機能を用いるため,LISP処理系としてECLを用いた。LISP-C言語トランスレータが出力するC言語プログラムは,ECLのライブラリに依存するため,変換対象の網羅を進めている。 (2)ネットワーク構築演習ソフトウェアの開発 : ネットワークシミュレータIMUNES改良に向けて,以下を実施した。(a)IMUNESに適合させたネットワーク構築演習問題とオリジナルのIMUNESを使い,授業中の演習に使った(2度目の実施)。初年度に分かっていたIMUNESの使いにくさを緩和する方法を演習問題へ示した。(b)演習後,アンケートを実施し,結果を評価した。演習専用のソフトウェアではないための,使いにくさがアンケート結果に現れている。(c)IMUNES改良のポイントと考えられるsetOperMode手続き,および,deployCfg手続きの内容を読み進めた。 (3)通信ライブラリの開発 : クライアント-サーバ間の通信を問題文中へ埋め込むため,eラーニングシステムの問題作成について調査している。 (4)各種演習教材開発 : IMUNESに付属しているDRDoS攻撃の設定ファイルを使い,デモンストレーションできることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)数式処理ライブラリの開発,(2)ネットワーク構築演習ソフトウェアの開発,(3)通信ライブラリの開発,および,(4)各種演習教材開発に分けると,以下が遅れている理由と考えている。 (1)数式処理ライブラリの開発 : LISP処理系ECLのLISP-C言語トランスレータ機能を用いることで,コンパクトなC言語プログラム,JavaScriptプログラムが得られると期待した。しかし,LISP-C言語トランスレータ機能が出力するC言語プログラムは,ECLの機能を実現するライブラリに依存するため,そのままではEmscriptenへ渡せない。却って進捗を遅らせることになった。 (2)ネットワーク構築演習ソフトウェアの開発 : IMUNES改良のポイントと考えられるsetOperMode手続き,および,deployCfg手続きを読み進めているが,IMUNESの実装言語であるTcl/Tkに慣れていないため,遅れている。 (3)通信ライブラリの開発 : (1),(2)に時間が取られ,検討と調査の時間しか取れなかった。 (4)各種演習教材開発 : H30年度は,設定ファイル1個を確認する時間しか取れなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)数式処理ライブラリの開発,(2)ネットワーク構築演習ソフトウェアの開発,(3)通信ライブラリの開発,および,(4)各種演習教材開発に分け,以下の方策により進めていきたい。 (1)数式処理ライブラリの開発 : 開発作業の内容を詳細に把握し,人手を使って開発すべき部分か否か検討する。 (2)ネットワーク構築演習ソフトウェアの開発 : 引き続き,setOperMode手続き,および,deployCfg手続きの内容を詳細に把握する。 (3)通信ライブラリの開発 : 検討から,実装のステップへ進める。 (4)各種演習教材開発 : 引き続き,設定例を動作させ,教材への利用を検討する。
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Causes of Carryover |
計画していた遠方への出張ができなかったこと,学生謝金を支出する作業まで進めなかったことが理由である。次年度では,請求した助成金と合わせ,遠方への出張・学会発表,学生謝金を支出する作業を実施する。
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