2017 Fiscal Year Research-status Report
無線技術で星空をお届け!新星座カメラWi-CANを操作して星空観察と国際交流
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17K01067
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
佐藤 毅彦 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (10297632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 一郎 島根大学, 教育学研究科, 教授 (30335541)
上田 晴彦 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (70272028)
林 左絵子 国立天文台, TMT推進室, 准教授 (90183912)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 星空観察 / 星座カメラ / インターネット / Wi-Fi / 電動経緯台 |
Outline of Annual Research Achievements |
既存i-CANをWi-Fi化するためのハードウェア開発を行った。まず事前調査の結果、SORACOMという通信事業者の提供するSIMは日本国内用、海外用の両方があり、地域カバレッジも十分に広そうであった。それを導入し、米フロリダ大学ローズマリーヒル天文台に設置しているi-CANをWi-Fi化した。同天文台は夏季に雷雲が多く発生し、落雷のため大学キャンパスとの間の無線接続機器がしばしばダウンする。そのようなサイトでもWi-Fi化すれば自前の通信経路を確保でき、途切れることのない星空観察を提供できることを確認できた(2018年1月に現地作業を実施)。 平成30年度以降の研究で用いるため、複数のWi-CANを組み立てるのに必要な部材を調達した。カメラのチルトパン機構は、従来はモーターや歯車などの個別部品を組み合わせ手工作していたもので、精度・強度ともに不足がちであった。この部分にSynScanと呼ばれる電動経緯台を用いる構成に変更したおかげで、精度が向上し、一台一台のできばえのばらつきが抑えられ、また輸送時の強度・安全性も高いものにすることができた。島根大学、秋田大学の各附属校への設置まではいかなかったものの、平成30年度の実践時期には十分に間に合う目途が立っている。 2017年12月には、研究代表者、分担者、連携研究者の全員が集まって、進捗を確認するとともに、2018年以降の計画の進め方について意識共有を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画の7割程度はハードの開発(i-CANのWi-Fi化)であったが、大きなトラブルもなくそれを進めることができた。実績として、海外のi-CAN一台をWi-Fi化し、そこからの星空観察を安定的にできるようになったことは、特筆してよい。 国内(島根大学、秋田大学)の附属校で使うためのWi-CAN開発も順調に進められ、30年度の授業実践への準備を適切に進めることができている。 研究組織内の情報共有、意見交換も密に行っており、研究は順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
国立天文台ハワイ観測所で状況の変化があり、そこでの星座カメラ維持が難しくなった。そのため、「日本の学校とハワイの学校」との交流を計画していたものを、「日本の学校と米西海岸の学校」との交流に変更する。実施する内容は変わらない。 また、同時にガーナ・インターネット天文台を使っての天体観察+交流も、時差をうまく利用すれば行うことができる見込みである(日本=朝8時、米西海岸=午後3時、ガーナ=夜11時)。したがって、相手方がハワイから米西海岸に変更となる以外は、当初計画どおりに進める。
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Causes of Carryover |
Wi-Fi化されたi-CANを附属学校(島根、秋田)へ輸送することがなかったために生じた残額であるが、平成30年度の早い時期に輸送を行い、当初計画どおりの授業実践を実施する計画である。
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Research Products
(1 results)