2017 Fiscal Year Research-status Report
地域密着型教育における学生アシスタント活用に関わる定量的研究
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17K01089
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
津曲 隆 熊本県立大学, 総合管理学部, 教授 (90163881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 陽子 鹿児島大学, 学内共同利用施設等, 講師 (60644820)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学生アシスタント / 地域密着型教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は地域密着型教育を受講する初年次生の教育補助としての学生アシスタント(SA)の教育効果の検討を目的としたものである。研究初年度は、授業設計の段階で、本研究の調査をどのように組み込んでいくかについての検討を行った。 授業は、受講生250人を約50チームに編成し、50チームを3グループに分けて、グループごとに異なる地域をフィールドに活動する地域密着型のプロジェクト学習として設計されている。学内外での授業となるが、その際にSAや受講生をどう観察していくかを事前に検討を行った。その検討を踏まえ、本授業を担当する複数教員に協力を依頼し、観察体制を構築した。具体的には、授業にはビデオカメラ4台を配置し、さらに大学院生の参与観察者を配置し、受講生とSAの相互作用を外側から観察すると共に、授業が全て終わった後、SAへのインタビューを行った。 SAにはファシリテーションスキル等の修得のための事前学習を実施した。ところで、SAは単なる知識提供者ではなく初年次学生にとって模倣すべきモデルとなることが重要な教育効果を与えるものと予想される。このため、SAには地域密着型授業がどういった意図をもつものかを相互に議論してもらい、この点をSAに明確化させておくとともに、初年次生にとって目指すべきモデルとはどういったものであるべきかもSA自身に考えさせた。それぞれ構築したSAのモデル像のもとで、SAは地域密着型授業の教育補助を担当した。 授業は、様子をビデオカメラで映像記録し、その他、SAのインタビュー記録、さらに受講した初年次生50チームからのSAに対するコメントも収集した。収集した膨大な記録データからSAの教育効果についての定性的な検討を進めているが、ひとつ得られたのは、SAは初年次生が大学という専門知識を修得していく実践共同体への周辺参加を促すというポジションにいるのではないかということであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に従い、受講生250名の地域密着型授業について、12名の学生アシスタント(SA)を雇用し、平成29年度の授業を実施した。SAには本研究の趣旨を説明した後、被験者としての協力依頼を行い、受諾してもらった。また250名の受講学生にも研究の一環で授業中にビデオカメラを回すことの了承を得て、授業中のSAの行動について4台のカメラでビデオ収録を行った。ビデオでの撮影と同時に参与観察も随時実施し、SAの動きの観察を行った。 外的観察の他、SAには、授業終了後、インタビュー調査を行う共に、自己の行動を振り返ったレポートを提出してもらい、アシスタントの内面についての調査を行った。さらに、受講生250名は50チームに分けたが、その50チームからもSAについてのコメントを収集し、受講生からSAがどのように見えていたのかの調査も行った。 当初の予定通りの調査を行うことが出来た。ただし、調査を終えて膨大な量のビデオデータ(4日x4台分)とドキュメントも膨大となったため、現在は、これらの読解を総合的に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に収集した膨大な映像及びドキュメント等のデータを読み解き、受講生と学生アシスタント(SA)のどういった相互作用が受講学生の能力を伸ばすことに寄与しているのか、その可能性について定性的にさらに詳しい検討を進める。 定性的な検討結果を踏まえ、今後は、平成30年度の計画に従って、定量分析に向けた準備を共同研究者と共に進める予定にしている。
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