2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K01103
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
佐久間 実緒 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (70515139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
與那嶺 尚弘 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (00259805)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 言語機能訓練 / リハビリ教材の電子化 / Androidアプリケーション / 失語症 / 認知症 / 学習障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は言語機能訓練支援システムにおける研究項目である「自動出題機能の搭載」、「コントローラ機能の搭載」、「訓練結果の可視化機能の搭載」について仕様検討と試作実装を進めた。 「自動出題機能」では、タブレット端末1台でリハビリや学習を実施する場合を想定して、失語症患者、認知症患者、学習障害児などの支援対象者の回答傾向を反映した出題を可能にする機能を目指しているが、その基礎機能として画像素材のデータベース化、素材検索および使用頻度検索の機能を実装した。また、出題の難易度を変更可能にするために、回答の補助として、答えのヒントとなる文字数や頭文字の表示・非表示を切り替えられる機能を実装した。「コントローラ機能」では、タブレット端末間のBluetooth機能により、支援実施者のタブレット端末では出題と結果記録、支援対象者のタブレット端末では回答を行う機能を目指している。そこで、基礎機能として、支援実施者のタブレット端末で支援対象者のタブレット端末の画像表示を制御する機能を実装した。また、支援実施者から簡易に教材操作ができるスイッチコントローラの要望があった。これは、教材によっては,タブレット端末上で同じボタンを繰り返し操作したり,複数のボタンを操作する場合があるため、支援実施者が煩わしさを感じたり、支援実施者の手の動きが支援対象者の集中を妨げてしまうためである。そこで、教材の操作ボタンに対応した、有線・無線切替えが可能な外付けのスイッチコントローラを開発した。「訓練結果の可視化機能」には、学習結果の簡易的なグラフ表示機能を実装した。 これまでの研究成果を、電気関係学会北陸支部連合大会、Japan ATフォーラム、日本福祉工学会第2回九州支部大会、東北地区若手研究者研究発表会において報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、研究項目である「自動出題機能の搭載」、「コントローラ機能の搭載」、「訓練結果の可視化機能の搭載」についての仕様の要求調査と仕様決定および試作実装を目標として進めてきたが、「コントローラ機能の搭載」については、基礎機能をすでに実装できていることから、当初の計画よりも早いペースで研究を進めることができている。 先行研究において開発した教材は、表示された画像から適した画像を選択する、画像を正しい順番に並べ替えるといった教材であったが、新規教材として、これまでに要望されていた書字教材の開発を進めている。書字教材においては、書き順だけでなく、支援対象者と支援実施者のコミュニケーションの様子の音声を動画として保存可能にしている。 現在、開発を進めている言語機能訓練支援システムはAndroidにのみ対応しているが、教育関係者等からはiOSでも使用したいとの要望があったため、本システムのマルチプラットフォーム化を目指して、♯CとXamarin. Formsを用いて、Android、iOS、Universal Windows platformに対応するシステムの開発を並行して進めている。また、訓練支援環境の室温などをモニタリングするシステムも開発中である。これらは、当初は計画していなかった研究項目であるため、当初の計画以上に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に検討した仕様および試作実装した機能をベースとして、「自動出題機能」、「コントローラ機能」、「訓練結果の可視化機能」の実装を進める。「自動出題機能」、「コントローラ機能」、「訓練結果の可視化機能」は、単独で動作している状況であるため、それぞれの機能の連携を検討する。「訓練結果の可視化機能」については、支援実施者が支援対象者の学習成果を管理するだけでなく、支援対象者も自らの学習成果を確認し、学習へのモチベーションを維持できるような機能を実装する。また、マルチプラットフォーム化も並行して進める。 また、研究項目である「システム評価」の1つである学習効果の評価については、アンケート調査および聞き取り調査により評価することを計画していたが、支援対象者の学習中の視線検出をすることで、支援対象者がどの順番で画像を見て、回答しているのかを評価できると考えているため、視線検出システムの開発と本システムとの連携を検討していく。 さらに、今年度に開発したスイッチコントローラの使用感および学習効果について評価を行い、キット化を目指す。また、開発済みである言語機能訓練教材の紹介と普及、情報交換のためにワークショップを開催し、ホームページを作成する。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、『言語機能訓練支援システム』の教材開発環境を整えるために、デスクトップパソコンやノートパソコン、作業効率を上げるためのパソコンモニタの購入を優先させた。試作教材の動作確認用としてタブレット端末を購入したが、県内外の言語聴覚士団体や自治体への貸与用タブレット端末については購入を見送ったため、次年度使用額が生じている。 本研究の紹介用ホームページ作成のために、当初はサーバの購入を予定していたが、今後の管理・運営について検討し、レンタルサーバを用いることにした。また、本システムに搭載予定である「コントローラ機能」が計画よりも早く進んでおり、Bluetooth通信関連電子部品の購入が必要となっているため、翌年度分の請求額は、これらに充てる計画である。
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Research Products
(6 results)