2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development and evaluation of access service system that supports proactive learning for hearing-impaired students
Project/Area Number |
17K01109
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
河野 純大 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (90352567)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 聴覚障害 / 講義 / 情報保障 / 主体性 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度も新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受ける形となったが、本研究の目的に掲げる聴覚障害学生の学びの主体性を引き出す手法に関する検討を実施した。授業の形態にオンライン形式が導入され、講義室の受講者とオンラインの受講者が同時に受講するハイブリッド形式の授業が実施されるようになった。情報保障の実施方法にも密を避けるためにオンラインでの保障方法が急速に普及されていった。パソコン文字通訳などの文字による情報保障を実施するには、講師の音声情報が必要となるが、オンライン授業ではZoomなどのテレビ会議アプリを介して音声を取得し、文字通訳システムを活用して文字情報の入力・提示を実施するようになっている。 本研究では、ハイブリッド形式の授業において、情報保障を伴う場合に、情報保障の提示を本研究で開発したタブレットに表示するアプリで実施する方法に関して、聴覚障害学生に提示してヒアリングを実施した。その結果、対面方式の授業でもタブレットに字幕が提示される場合にはノートを取りながら講師の発話情報が得られる点が良いという意見や、オンライン受講の場合にも、ノートパソコンで受講しながらメモを取るなどの際には、発話情報がタブレットに表示されるほうが学習しやすく感じるという意見を得た。さらに、学生側からの発問が多く引き出すための工夫としては、オンライン形式だとチャットを活用して質問できる点が対面形式よりもやりやすいという意見があり、授業を止めることなく文字で質問できることが求められることが予想される。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたが、新しい授業形態が増えた場合にも、情報保障システムなどを活用して、聴覚障害学生の主体性をより引き出す方法についてさらなる工夫が必要と考えている。
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