2018 Fiscal Year Research-status Report
アクティブラーニングの基礎・内容・技法を学ぶ教員用eラーニングコースの開発と実践
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17K01124
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
須曽野 仁志 三重大学, 教育学部, 教授 (50293767)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アクティブラーニング / マルチメディアラーニング / eラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、教員を対象とし、アクティブラーニング(Active Learning,以下「AL」と略記)の基礎・内容・技法について学べるeラーニングコースを開発する。その開発・活用の過程で、1)ALを導入する上で、教員が知っておくべきALの基礎や、基盤となる学習理論や学び方は何か、2)ALで学習者が学ぶ内容に関して、教員が教材をどのように構造化し、学びやすくするか、3)ALで使える技法として、学習者が学習成果のまとめやプレゼン等にICTをどう活用できるか、4)インストラクショナルデザインを基に、教員用eラーニングコースをどう設計・開発するか、5)eラーニングを活用し、教員がALについてどのように学び続け、どう実践に役立てるか、を明らかにすることが研究の目的である。 1)に関しては、構成主義の学習理論、Mayerによるマルチメディアラーニング、デジタルネィティブ、協働学習、TPACK等に着目し、教員が知っておくべきALの基礎をPDFやムービーにまとめた。 2)に関しては、口頭プレゼンテーションやデジタルストーリーテリングで表現・発信する内容や方法について、言葉のみより、言葉+視覚資料(絵、写真、図表等)で作品制作することが、効果的・魅力的に学びやすいことを実例を挙げ、教材化した。 米国中学校でのAL実践視察を行い、3)のALで使える技法として、ワークシートの使い方や情報タブレット端末を活用しての学習成果のまとめを検討した。また、学習者が学習のまとめをどのようにするかや、学習成果の活用でどのようにICTを活用できることを明らかにした。 4)に関しては、iPadを用いて児童生徒が学習成果を手軽にまとめられるアプリ「くまた」を開発・改善した。さらに、それの活用を紹介する学習コースをMoodleで作成した。5)のeラーニングを実際に進めていくかは、次年度以降の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の1)「ALを導入する上で、教員が知っておくべきALの基礎や、基盤となる学習理論や学び方は何か」2)「ALで学習者が学ぶ内容に関して、教員が教材をどのように構造化し、学びやすくするか」3)「ALで使える技法として、学習者が学習成果のまとめやプレゼン等にICTをどう活用できるか」について、これまでの実践研究をもとに実践成果を整理した。さらに、米国ボストン郊外のウェールズリィ中学校を訪れ、授業でのアクティブラーニングをどのように進めるかについて情報収集し、eラーニングコースに入れるムービーやPDF資料を蓄積できたので。研究目的はほぼ達成できている。 2)や3)、さらに4)「インストラクショナルデザインを基に、教員用eラーニングコースをどう設計・開発するか」については、iPadを用いて児童生徒が学習成果を手軽にまとめられるアプリ「くまた」を小・中学校の授業で活用し、それをもとに教員がどのように授業デザイン・学習支援すればよいかを検討し、国内外での学会で口頭発表やポスタープレゼンテーションに取り組んだ。また、アクティブラーニングと小学校英語学習を結びつけ、教員向けの教材ビデオやeラーニングコース用の教材を作成し、国内外での学会で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究代表者は公立中学校勤務の経験が十数年あり、中学校教諭時代には、アクティブラーニングとして実践した芭蕉データベース、Logoプログラミング、学習者によるプレゼンテーション等、情報発信型学習を重視した。さらに、三重大学教育学部で教員養成・現職教員教育に携わり、学習者によるデジタルストーリーテリング、3sカードを用いたプレゼンテーション、情報タブレットの活用、協働スキット(寸劇)制作等、様々なICTの学習利用やアクティブラーニングにとり組んできたが、その具体的な実践例やノウハウを、現職教員や教員を目指す学部生・大学院生が、eラーニングを用いて幅広く学べるようにする。 また、現在、三重県南部地方にある三重大学東紀州サテライト東紀州教育学舎のプロジェクト教員として、週1回熊野市の学舎に通っている。東紀州サテライトでは、東紀州地域内での小学校英語学習、プログラミング学習、情報タブレットを用いたICT学習利用等を積極的に進めており、現職教員を対象とした研修や児童生徒を対象とした授業支援と本研究を結びつけ、三重県内の学校現場で役立つ実践研究にしていきたい。
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Causes of Carryover |
eラーニング用教材ビデオの作成に人件費や消耗品費の支出が2019年4月以降に必要になった。また、研究成果の発表を6月以降に行う旅費が必要となった。
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Research Products
(9 results)