2017 Fiscal Year Research-status Report
Globally Expanding Vision and Passion through Authentic Creative Activities Based on a Evolutionally Derived Learning Theory
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17K01153
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
宮田 義郎 中京大学, 工学部, 教授 (00239419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 泰 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (00272188)
上芝 智裕 中京大学, 工学部, 准教授 (30340186)
亀井 美穂子 椙山女学園大学, 文化情報学部, 講師 (40410609)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 持続可能社会 / グローバル社会 / 学習環境デザイン / 当事者デザイン / アージ理論 / 進化論 |
Outline of Annual Research Achievements |
日常の暮らしの中で、それを支える自然・社会環境の価値を可視化することにより、グローバルな諸問題に視野を広げ、持続可能なグローバル社会に貢献するような学びをサポートする環境を構築することを目的として、理論と実践を循環させながら進めている。実践面ではICTによる制作に自然・社会環境を背景とするオーセンティックな実体験を加え、地域資源を活かしたグローバルな学習環境を構築しつつある。World Environment Projectでは、香港理工大学等から学生を受け入れて中京大学と連携し、豊田市の里山でのフィールドワークで「知りたい(好奇心)」「やってみたい(挑戦心)」が「もの・こと」に関する学習アージから、「人、コミュニティー」に関する社会アージへ拡張することを確認した。これらの実践を踏まえて、理論面では、構築的マインドセット理論に、進化論からのアージ理論を導入して発展させることができた。これらの成果は日本デザイン学会「当事者デザイン」研究部会や、Scratch 2017 @ Budapest など国内外の学会で発表した。(宮田) 情報化社会におけるものづくりを身近にするワークショップを地域において企画・実施し、さらに地域の大学、社会教育施設や企業等と協同して、複数のワークショップを協同で、継続的に開催する。実践と分析を通して、子どもたちのものづくりを通した学びを支える学習環境デザインを明らかにした。(亀井) 「旅するデザイン」をコンセプトに、研究者が具体的なフィールドに出て、そのコミュニティを理解しながら創造的に研究者自身の居場所を作っていくアプローチを進めている。(原田) 中京大学と公立はこだて未来大学において数回研究会を開催し、これらの成果について考察を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
World Peace Song Projectでは、2回目のWorld Peace Song 制作に向けて新たな参画を加えて世界の約60箇所の学校が協同制作を行うための体勢がほぼ整い、2018年中に完成・発表する予定である。World Environment Projectでは、2回目、3回目の香港理工大学と中京大学の連携授業を実施し、豊田市小原地区、足助地区を含むフィールドワークで、オーセンティックな環境でのもの作り体験が社会アージを喚起することが確認できた。その他、まちさとミライ塾でのワークショップ、とよたイルミネーションストーリー2017参画、農家ARプロジェクトなどで地域貢献活動が社会アージを喚起することが確認された。 複数ワークショップの協同開催の場が、愛知県と岐阜県で定着してきた。申請者らが2014年以降取り組んできた活動「ワークショップ・ギャザリング」は愛知で4回目、また愛知の取り組みから派生した岐阜での取り組みも3回目となり、子どもたちや学生、卒業生、そして出展者の学びと交流の場として位置付きはじめた。ヒアリングを通して、定着は出展者の挑戦の場につながっていることも示唆された。(亀井) 函館地区では、卒研、修論など、学生の研究を絡めて、函館エリアの様々なコミュニティでもの作りを展開している。具体的な表現物(映像コンテンツ、広報ツール、イベント)をかたちづくり、実用するところまで来ている。(原田) 和歌山地区では、スクラッチデイのワークショップを実施し、寺子屋の活動を日常的に実施し、地域の子供達が継続的に参加する学びのコミュニティーが定着しつつある。(上芝)
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度完成予定のWorld Peace Song Project Ver.2では、参画している世界数十カ国のパートナーのネットワーク構築により、学習アージと社会アージの循環を生み出す。2018年5月実施のWorld Environmental Project は、足助・小原地区でのオーセンティックな環境での、香港理工大学と中京大学の学生、地域の協力者の間の関わりをより明確にデザインすることにより、マインドセットの拡張を試みる。さらに、香港理工大、中京大、エジプトミニア大学とのネットワークを強化して、豊田、香港、エジプトのオーセンティック環境のコミュニティーの連携も試みる。とよたまちさとミライ塾では、おんぱく方式のイベントと継続的なワークショップを連携させて、学習アージから社会アージへの拡張の契機がどのように生まれるのかを調査する。(宮田) 今後も引き続き単独及び協同でワークショップを開発・実践するとともに、5年間の活動に対する関係者の振り返りをもとに、協同ワークショプのデザインの検証を行う。また撮影した映像を整理し、情報発信を行っていく。(亀井) 創造(=デザイン)のプロセスをどう視覚化するか、またその活用方法について検討を始めている。(原田) 寺子屋ではそれぞれが興味を持ったことに取り組む「Create」の段階が充実してきたので、他の子供に発表したりコラボする「Connect」を導入して、視野を広げる「Open」を試みる。(上芝) 各地域で「Create」してきたことを、他地域にプレゼンして「Connect」することで、学び合う中で、個人やそれぞれの地域の持ち味を発見する「Open」。
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Causes of Carryover |
2018年2月から3月に実施予定だった「農家ARプロジェクト」が、連携した農家グループとのスケジュールの調整により、5月まで延長されたため、その作業に関わる人件費・謝金の一部は年度中に支出しませんでした。この分は現在実施中で5月中に完了する予定です。また、5月に実施した「World Environment Project」において連携先の香港理工大学および北見工業大学からの参加者が大幅に増えたために想定された諸費用を確保するために、2017年度の支出を控えました。この分は既に実施済みで現在執行手続き中です。(宮田)ワークショップを遠隔地で開催の予定だったのが、近隣での開催になったために費用が抑えられました。この分は今年度実施するワークショップで、移動費、消耗品費用にあてる予定です。(亀井)
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Research Products
(15 results)