2017 Fiscal Year Research-status Report
早期認知症患者のケア方法習得のためのタブレットを用いた教育プログラムの開発
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17K01162
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
中俣 恵美 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 准教授 (60615839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出田 めぐみ 白鳳短期大学, その他部局等, 教授(移行) (00615833)
岡本 加奈子 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 准教授 (20636237)
西井 正樹 白鳳短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (90615840)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 早期認知症 / 日常生活 / 活動 / 困難 / 不安 / 活動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は、人材教育・育成のためのアプリ(介入シュミレーション)開発である。今回の研究はそのための基礎研究と位置づけている。研究初年時にあたる本年度は、不安が生じる生活場面の抽出、不安を与えやすい環境や状況の特徴を抽出するための準備にあてた。 まず、認知症カフェを開催し日常生活のテーマを設定しグループインタビュー、ディスカッションを実施した。月1回計5回開催する「認知症カフェ」に継続して参加した地域在住高齢者10名を対象とした。性別は10名、全て女性、平均年齢は73.7±3.8歳であった。聞き取った内容をテーマに則し逐語録を作成し, MMSEの得点ごと(MMSE得点満点群、29-27点群、27-24点群)で分析を行った。 その結果早期認知症患者については外出など特異的に遂行が困難や不安を感じる活動があることが判明した。これらのことより認知症を早期に発見する手段として、日常生活における不安や活動の困難さを捉えることが可能であることが示唆された。 これらに基づき生活全般において、不安や困難さを感じる場面の特定を行うためのアンケート作りが必要と考えた。そこで本年度は認知症患者やその家族の語りから「認知症の初期」「認知症かなと感じた場面」を書籍およびインタビューより抽出し、アンケートの選択肢作成のための準備を行った。また不安や困難さを感じることにより活動量の低下が起こる可能性があると仮説を立て、活動量計によるデータ収集も行った。 収集したデータの分析とアンケート作成・実施は次年度に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年時にあたる本年度は、早期認知症患者が不安に感じる生活場面や困難となる活動、不安を与えやすい生活環境や状況の特徴を抽出することを目標としていた。その方法としてキャプション評価(写真撮影)を予定し、予備調査として10名の高齢者(MMSEにて正常~認知症中等度判断された対象者)に実施した。 その結果、対象者によって内容の理解度に差異があり、研究意図にそぐわない内容となることがあった。また写真の内容を個別にそれぞれの対象者に確認するための面談を実施する必要が生じ不安や困難さを感じる生活場面の特定に時間と人的労力を要してしまうなどの問題点が判明し、般化のための対象者数の確保が困難と判断された。 上記のような事態を受け、方法論を再検討したため当初の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年での目標を、日常生活の行動や状況より早期に認知症を発見するための指標作成とする。そのために日常生活で困難となる行動や場面を抽出するためのアンケートを作成し、在宅、有料老人ホーム、認知症予防教室の高齢者100名を目標に、アンケートを実施するとともに、MMSE、活動量も調査する。これらのデータを分析し認知症への移行のリスクの高い状況を判断する予定である。
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Causes of Carryover |
研究初年時にデータ収集に使用するための機器を購入予定であったが、データ収集の方法を再検討したため、実際にデータを収集するに至らなかった。そのため機器の購入を延期したため予定金額に至らなかった。機器の購入に関しては次年度および研究3年目を目途に随時購入する予定である。また来年度はデータ収集のための研究旅費や研究成果を学会にて発表するための費用も執行する予定である。
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