2021 Fiscal Year Research-status Report
早期認知症患者のケア方法習得のためのタブレットを用いた教育プログラムの開発
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17K01162
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
中俣 恵美 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (60615839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出田 めぐみ 白鳳短期大学, その他部局等, 教授(移行) (00615833)
岡本 加奈子 宝塚医療大学, 保健医療学部, 准教授 (20636237)
西井 正樹 大阪人間科学大学, 保健医療学部, 教授 (90615840)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 早期認知症 / スクリーニング / アンケート / 日常生活 / 活動 / 不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年に完成させた認知症早期発見のためのチェックリスト(自己記入式)を使用し、地域在住健康高齢者、地域在住要支援者・要介護高齢者、地域在住要医療受診者等様々な対象者に対し調査を進めた。 本年度までに調査した対象者は、83名(年齢73.8歳)である。対象者の認知機能レベルをMoca-Jで評価し、25点以上の群(高値群)と25点未満の群(低値群)に分類し、様々な視点より分析を進めた。分析には。マンホイットニー検定を用いて、高値群と低値群間におけるチェックリストの段階を比較した。 地域在住健康高齢者を対象とした比較では、高値群と低値間で、会話(ICFコード:d350)」と「記憶機能(b144)」、「基本的な対人関係(d710)」、「情動機能(b152)」、「日常生活の遂行(d230)」の5つの質問で有意差を認めた。この結果よりMCIの初期症状のうち、記憶機能だけなく、会話や基本的な対人関係、情動機能、日常生活の遂行の問題が、MCIの早期発見の指標となる可能性を示唆した。これらのことよりICFに基づくチェックリストを使用し、高齢者の日常行動に注意を払うことは、MCIの早期発見に役立つと考えた。 また、上記に疾患を有する地域高齢者を含めて分析したところ会話、対人関係、情動機能では、先行研究と同様に2群間に有意差がみられたが、記憶機能では2群間の有意差がみられなかった。この結果より記憶機能に関しては加齢による変化の影響があるため、MCIの発見のための要素としては低くなるのではないかと考えた。 併せて本年度は対象者を増やすための活動も実施したが、コロナウイルス感染症の爆発的な感染拡大があり、目標とする対象者には届かなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度同様、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により調査対象者を増やすことが困難であった。このためアンケートの質問項目の重み付けを行い質問肢の取捨選択や点数化ができなかった。これにより認知症早期発見のためのチェックリストの完成とその精度についての検証に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はできるだけ対象者を増やし、チェックリストの完成には至りたい。またこれまでの内容をまとめ論文投稿を行いたいと考えている。また、チェックリストのアプリケーションの試作も行いたい。
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Causes of Carryover |
調査のための費用およびチェックリストの開発に伴う費用に使用する予定。具体的には調査に必要な備品購入、謝礼およびアプリケーションの開発、また学会発表や論文投稿にかかわる費用にも使用予定
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Research Products
(2 results)