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2019 Fiscal Year Research-status Report

近代ロシアの帝国医学の創出と医学地誌

Research Project

Project/Area Number 17K01175
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

宮崎 千穂  名古屋大学, 人文学研究科, 共同研究員 (20723802)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywords医学地誌 / 民族誌 / 梅毒 / ロシア帝国 / 中央アジア
Outline of Annual Research Achievements

2019年度は、ロシア帝国におけるトルキスタン地方の統治のあり方の一側面を、梅毒という感染症の制御の際して、19世紀のロシアの科学の三本柱ともいわれる地理学、民族誌、統計学がいかなる役割を演じたのかという点に焦点をあてて研究を進めた。
2019年7月および8月中に、19世紀のロシア帝国のトルキスタン地方の一部に相当する現ウズベキスタン共和国に所在するウズベキスタン国立中央歴史文書館およびウズベキスタン国立ナヴァーイー図書館等で史資料の調査を行い、関連する貴重な史資料を収集することができた。また、隣国のタジキスタンでも、地誌博物館等において情報収集を行った。
以上にようにして収集した史資料には、トルキスタンに設置された統計委員会の活動内容を明らかにする出版物やロシア陸軍軍医および行政官らの報告書等といった史料が含まれ、それらの分析を通して、トルキスタンの植民地化の過程における現地住民を巻き込んだロシア人医師の梅毒との闘いとその制御のあり方を明らかにすることができた。
この研究成果は、2019年度ロシア史研究会大会において報告した。
その後、他の研究者等からの助言を得て論文として公表する準備を進め、新しい知見を得るため再びウズベキスタン等の海外での史資料調査および研究者との会議を予定していたところ、感染症流行のため渡航不可能となったため、本研究を2020年度まで延長し、同年度中に研究成果を公にする予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年2月および3月中にウズベキスタン共和国に所在する公文書館および図書館において、本研究の課題の解決に必要な史資料調査を行う予定であったが、新型コロナウィルスの世界的流行の影響を受け、同地への渡航および研究調査活動が不可能となったため、研究の進展に遅れが生じた。

Strategy for Future Research Activity

本研究は、2020年度も継続して実施する。19世紀のロシア帝国のトルキスタン地方の医療・医学・衛生のあり方については、これまであまり光を当てられなかった研究分野であり、現地のウズベキスタンなど中央アジアやロシア所在のアーカイブス史料の発掘が不可欠である。2020年度もそうした一次史料の調査収集につとめ、その分析、考察を進めることで、新たな医療・医学・衛生の近代を描くことをめざす。

Causes of Carryover

当初の年次計画において、2020年2月および3月中に、ウズベキスタンへ渡航し、ウズベキスタン国立中央歴史文書館およびナヴォイ記念国立図書館において史資料の収集すること、またこれまでの研究成果の確認を行うこと、また、同国首都タシケント市にて研究集会を開催し研究成果の発表を行うことを予定していたが、同国および日本の新型コロナウィルスの流行とそれへの対策を鑑み、これらを中止し、延長年度の2020年度に実施することとした。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 19世紀後半における中央アジアのロシア医学の導入と梅毒対策2019

    • Author(s)
      宮崎 千穂
    • Organizer
      ロシア史研究会2019年度年次大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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