2021 Fiscal Year Research-status Report
江戸初中期における自然学の展開―「天学」概念の成立を中心に―
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17K01179
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
平岡 隆二 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (10637622)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 東アジア科学 / 天文学 / 宇宙論 / スヘラの抜書 / 天経或問 / イエズス会 / 西川如見 / 西川正休 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
２０２１年度は、以下の３点を中心に研究を進めた。１）関連史料の収集と内容分析、２）出版物５件、３）学会発表４件（うち国際学会２件）
１）については、新型感染症流行のため、インターネットを中心に史料収集を行い、『天経或問』、『スヘラの抜書』をはじめとする関連史料の内容分析を進めた。『天経或問』については、これまで未紹介の日本伝本の内容と位置づけについてまとめた論文の執筆を終え、刊行に向けた準備を進めている。また『スヘラの抜書』については、その内容や背景、影響にまつわる共同研究をSven Osterkamp氏（ルール大学ボーフム教授）と進め、その成果は将来共編書として刊行する予定である。
２）については論文「Deciphering Aristotle with Chinese Medical Cosmology: Nanban Unkiron and the Reception of Jesuit Cosmology in Early Modern Japan」（Overlapping Cosmologies in Asia. Brill社）、事典項目「江戸の天文暦学」（『科学史事典』丸善出版）、「西学書」「長崎遊学」（『洋学史研究事典』思文閣出版）など出版物５件を刊行した。
３）については、「Buddhist Reaction to the Western Theory of Round Earth in 17th and 18th Century Japan」「A Public Cosmology Lecture with a Clockwork Astronomical Model in 18th Century Japan」「開陽丸引き上げ文書と梅文鼎『暦算全書』」など学会発表４件（うち国際学会２件）を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行により、国内外の図書館・博物館での現地調査がいずれも中止・延期を余儀なくされ、補助事業期間の一年間の延長を申請し、承認された。最終年度となる今年度は、感染状況の推移を見据えながら、可能な限り多くの現地調査を実施し、期間内に最大限の成果が得られるよう研究を進めてゆく。
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| Strategy for Future Research Activity |
引き続き、これまで調査・収集した史料の分析と、新たに入手し得た史料の内容、位置づけにまつわる研究を進めてゆく。最終年度となる今年度は、これまで調査できなかった一次史料の現地調査と分析を中心に進める。それらの史料の読解・分析により、西洋と中国の天文地理学、宇宙論がどのように交錯し、またそれが近世初中期の日本においてどのような学問的伝統を築き上げたかの分析・解明を進めてゆく。得られた成果については、随時学会発表や論文等を通じて国内外に広く発信する。
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| Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の流行により、予定していた国内・海外出張がキャンセルとなり、資料収集に支障をきたしたため、その残金を最終年度にまわすこととした。
（使用計画）２０２２年度の旅費、物品費として支出する予定。
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