2019 Fiscal Year Annual Research Report
Bidirectional dynamics between medical thery and education-welfare system recognized in the supports for individuals with neurodevelopmental disorders
Project/Area Number |
17K01187
|
Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
小野 尚香 畿央大学, 教育学部, 教授 (70373123)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | スウェーデン / 特別支援教育 / 神経発達症群 / 幼児期 / 医療 / 保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
次の4点について研究を進めてきた。(1)Gillberg Neuropsychiatry Centreにおける神経発達臨床所見に関わる医学理論を時系列的に整理分析する。(2)医学理論ESSENCEを具現化した小児保健・学校保健のシステム構築プロセスと実践効果について整理する。(3)教育・福祉(保育)・訓練(療育)の場から、障害のある子どもに対する発達支援的効果を経験値から分析し、医科学研究成果と相対化する。(4)神経発達症群をめぐる概念や支援方法を精査し、専門職の思考や社会システムの機能を分析する。 平成31年度の成果として、Gillberg Neuropsychiatry Centreにおける神経発達臨床所見を活用して、Gavle州における乳幼児支援システム組織での活動を拡充している様相を調査した。そこでは、システムの一つである“Bryggan”を中心に、コーディネーターならびに利用者である保護者に対する半構造化面接を行い、システム化された保護者個別支援ならびに啓発プログラム(PRIMUS)が有用であったことを確認した。 また、就学前学校・基礎学校およびハビリテーション・小児保健センターにおいて、施設での参与観察と専門職に対する非構造化面接を行った。その中で、ストックホルムにおける教育システム(基礎学校と就学前学校)において、special pedagogue(特別支援教育を企画・主導する教員)が医療専門職と連携し支援を提供できるシステムが構築されており、神経発達症群の子どもたちに対して、医学的知見を根拠にした系統的支援の可能性が認められた。以上のデータも含めて、スウェーデンの幼児期における医療・保健・教育を横断する神経発達症群をめぐる考え方と実践の様相を中心に、専門職の視点や社会システムとしての機能を、保護者側から見た経験と感想を織り込みながら、分析し執筆の途中にある。
|
Research Products
(7 results)