2017 Fiscal Year Research-status Report
文化財保護行政、地域、教育・保育現場の相互補完による民俗芸能の継承
Project/Area Number |
17K01202
|
Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
城 佳世 九州女子大学, 人間科学部, 准教授 (40722731)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 健次 茨城大学, 教育学部, 教授 (10274565)
津田 正之 国立教育政策研究所, その他部局等, 研究員 (10315450)
門脇 早聴子 園田学園女子大学, 人間教育学部, 助教 (40747664)
峯岸 由治 関西学院大学, 教育学部, 教授 (60546828)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 民俗芸能 / 伝承モデル / デジタル教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の計画は、次の通りである。平成29 年度は、①研究代表者・分担者・協力者によって、文化財保護行政に保存されているデータから、フィールドワークによって民俗芸能の伝承及び、教育・保育現場の実態について調査する。②調査内容をもとに、モデル化が可能な民俗芸能を抽出する。平成30 年度は、③抽出した事例について文化財保護行政の保存データ及び実態調査の結果をもとにコアカリキュラム及び教材を作成する。作成する教材はデジタルコンテンツとして活用できるものとする。平成31 年度は④コアカリキュラム及び教材をもとに、小中学校の教員及び保育者と連携して、授業実践及び保育実践をおこない、地域の文化財関係者とともに検証する。⑤検証をもとに、文化財保護行政・地域と学校が連携を図ったモデルを作成し提供する。 平成29年度は、各県で実施されたの「緊急民謡調査」、「民俗芸能緊急調査」、及び各都道府県、また市町村が作成する個別の「民俗芸能の報告書」等の資料に加え、現在調査中の「国選択無形民俗文化財」も研究の対象とすることについて確認をおこなった。その上で、研究協力者によるデータ提供をもとに、研究代表者及び分担者が12事例についてフィールドワークによる調査をおこない、モデル化が可能な事例を抽出した。 平成30年度は、文化財保護行政の保存データ及び実態調査の結果をもとに抽出した事例をもとに、コアカリキュラム及びデジタル教材を作成し、プレテストを実施する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、本研究において文化財保護行政が有する資料についての、共通理解を研究代表者、研究分担者、研究協力者におこなった。その結果、各県で実施されたの「緊急民謡調査」、「民俗芸能緊急調査」、及び各都道府県、また市町村が作成する個別の「民俗芸能の報告書」等の資料に加え、現在調査中の「国選択無形民俗文化財」も研究の対象とすることについて確認をおこなった。 次に、研究協力者の提供資料にもとづく助言をもとに、学校で取り扱う教材として適切なもの(民俗学的価値。音楽学的価値の有無)について検討をおこなった。その結果をふまえて、青森県、埼玉県、広島県、愛媛県、福岡県の12事例について研究代表者、研究分担者、研究協力者による調査を実施した。フィールドワークでは、個別の民俗芸能の調査に加えて、地域の教育・保育現場との関連性についても調査を実施した。そのうえで、モデル化が可能な事例についての抽出をおこなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、文化財保護行政の保存データ及び実態調査の結果をもとに抽出した事例をもとにコアカリキュラム及びデジタル教材を作成し、プレテストを実施する。作成する教材はデジタルコンテンツとして活用できるものとする。また、教員が自身でそれぞれの地域の民俗芸能(音源・映像を含む)に入れ替えることが可能なものとする。また、作成したデジタル教材は教師のみならず、学習者がタブレット等で活用できるものとする。これらは、プレテストを経て、学校での実践をおこなう。観点は、①現場の教育者・保育者が実施可能なコアカリキュラムが作成できているか ②教育的価値(音楽的価値)及び伝承すべき内容を有しているか ③子どもたちに伝承の意識を育てることができているか、の3 点とする。検証は、地域の文化財保護行政関係者、現場の小中学校教員・保育者とともに、教材の有効性及び伝承のあり方について検討する。
|
Causes of Carryover |
平成29年度は、研究代表者、研究分担者、研究協力者による打ち合わせを2回実施する予定であったが、第1回のみ実施した。第2回については研究代表者による個別に打ち合わせをおこない、メーリングリストでの共有をおこなった。また、教育現場・保育現場への聴き取り調査の結果、映像資料を追加する必要性が明らかになった。そのため、平成30年度にフィールドワークをともなう撮影を追加で実施する。
|
Research Products
(7 results)