2020 Fiscal Year Annual Research Report
Practical research on eco-museumization in collaboration with the local community: For the conservation of giant salamanders
Project/Area Number |
17K01209
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
清水 則雄 広島大学, 総合博物館, 准教授 (70437614)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オオサンショウウオ / 幼生の離散 / 年齢査定 / 地域資源 / エコミュージアム / 環境教育 / 包括的自然再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)基礎生態データの収集:広島県東広島市椋梨川上流部約4km(7区間)を調査区域とし本種の主な活動期間である5-10月末まで計6回の野外調査を実施した。成体28頭を捕獲し,全長・体重・性別・身体的特徴・緯度経度を計測・観察し調査票に記録した.マイクロチップによる個体識別を行った。2017年から得られた各区間の個体の移動の有無と全長組成から個体群の隔離状況と流下傾向、さらには確認個体数の減少傾向が明らかとなった。 2)幼生(全長約65mm-430mm)の追跡(1月-6月)と生息地探索:巣穴下流の堰堤上部に流下を制限されている幼生30尾を捕獲し,20個体の放流を行った。 10個体については生残率の高まるサイズまで育成した後の放流を予定している。 3)エコミュージアム化による成果の発信とその評価:公開講演会、野外観察会、出前講座を地域住民及び小学校を対象として実施した。またコロナ禍対応として中高生向けのオンライン授業を1度試行的に実施した。さらに出前博物館(8月)は実施予定であった地域の夏祭りがコロナによって中止となったため、代案として地域の農村振興・エコミュージアム化に賛同し、我々が実施した小学生への出前授業で発案されたオオサンショウウオグッズの製品化も手掛けた地元企業(株)サタケの本社ロビーにて出前展示を実施した。本来、オオサンショウウオに関心のない客層にもアプローチすることができた。 コロナ禍により、大人数を集めての調査や出前博物館が中止となるなど予定変更となったが、その中でも少数精鋭による調査の実施、出前展示、オンライン授業等により、何とか当初の目的を達成できたと考えている。 西日本豪雨やその後の豪雨(雨量的には西日本豪雨超え)を経験し、本種の危機的な状況がより具体的に明らかとなったことは、今後の保全策構築に向けて極めて重要な研究となったと考えている。
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Research Products
(8 results)