2020 Fiscal Year Research-status Report
博物館資料の潜在的価値の顕在化-海を渡った植物標本からの生物多様性情報の発掘-
Project/Area Number |
17K01218
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
田中 徳久 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 学芸部長 (60270691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝山 輝男 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 主任学芸員 (20214356) [Withdrawn]
木場 英久 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (50221966)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 植物標本 / レッドデータ植物 / 地域植物相 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、江戸~明治時代に外国人により採集された植物標本のうち、主に海外の標本庫に所蔵されているジェネラルコネクションを調査することにより、生物多様性の証拠という面から、博物館資料の潜在的な学術的価値を顕在化することを目的としている。 2020年度は、新型コロナウィルス感染症の世界的な流行から、海外の標本庫における標本調査が実施できなったため、これまでの研究期間中に標本調査を実施した台湾大学やコマロフ植物研究所における調査結果の整理に注力した。 また、国内標本庫における標本調査も新型コロナウィルスの感染防止のための緊急事態宣言の発出などにより大幅な制限を受けた。こちらも、これまでの研究期間中に標本調査を実施した標本庫のおける調査結果の整理に注力した。 これらの結果、WEBサイト上に公開されている神奈川県のレッドデータ植物該当種標本の同定の誤り(ノウルシ→タカトウダイ、ヤマジノホトトギス→ホトトギス、ナンカイイタチシダ→オオイタチシダ、オオバショリマ→ハクモウイノデ)や、神奈川県の地域植物相において重要な記録となる植物標本(ツバメオモト、トダスゲ、コキツネノボタン、ミズユキノシタ、サワトラノオ、オオヤマツツジ)について報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により、海外はもとより国内の植物標本庫の調査を実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響で、標本調査は実施できなかったが、これまでの調査結果の整理などに注力してきた。今後、新型コロナ感染症の状況次第であるが、2020年度に予定していたライデンのシーボルト標本の調査をすすめる予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の感染拡大により、海外および国内標本庫における調査が実施できなかっためである。感染症の状況、ワクチン接種の状況を鑑み、計画的な標本調査を実施する。
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