2020 Fiscal Year Research-status Report
展示施設を拠点とする地域住民参加型の歴史的建造物の調査
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17K01221
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
西田 紀子 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 飛鳥資料館, 主任研究員 (80359447)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 明日香村 / 飛鳥坐神社 / 百貫川 / 木の葉の堰 / 絵図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、来館者を対象にしたイベントや、現地住民との共同調査などは大きく制限を受けた。集落踏査も継続したが、住民からの聞き取りなどは十分に行うことができなかった。 明日香村文化協会と協力し、これまでの研究成果を明日香村文化協会の文化講座で口頭発表および地域住民との意見交換をおこなった。発表では、これまでおこなってきた、調査の概要を報告するとともに、古写真と現況の写真との比較や、古地図から読み取れる景観の変遷などについても示した。 また、地域につたわる、景観変遷に関わる資料調査も行った。中でも、明日香村小山で保存されていた絵図面の調査では、大官大寺などの遺跡の近世近代の状況を知るとともに、木の葉の堰や百貫川の変遷についての整理をおこなった。また、近代の絵葉書や、明日香村飛鳥の飛鳥坐神社で保存されていた版木や古写真なども調査した。近世の紀行文などと合わせて考察することで、飛鳥大字の近世近代の様相や、飛鳥の景観変遷に関わる貴重な資料を得ることができた。 さらに「明日香のいまむかし」と題した文章を『月刊大和路ならら』に発表した。古写真や歴史資料飛鳥にまつわる言説などをもちいて、石舞台古墳、飛鳥寺、川原寺、飛鳥宮跡、石神遺跡、飛鳥水落遺跡、キトラ古墳など、飛鳥の主要な遺跡をとりあげた。発掘調査成果をあわせて、遺跡の概要、発掘後の遺跡整備、周辺の建物や土地利用の変化などを述べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大防止の対策のため、イベントなどが大きく制限された。一方で、資料を借用しての調査などは継続的におこなうことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症の感染状況にも配慮しながら、地域住民と共同しての調査活動を推進したい。 また、集落踏査・絵図調査を継続する。
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Causes of Carryover |
業務の忙しさと新型コロナウィルス感染症拡大防止対策のため調査が予定通り進まなかった。今年度は、昨年度実施できなかった集落踏査などを中心に研究を進める計画である。
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Research Products
(2 results)