2017 Fiscal Year Research-status Report
地理教育用ブラウザ型地理情報システムの開発とコンテンツの整備に関する研究
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17K01225
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
谷 謙二 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (40323381)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地理教育 / GIS / 地理総合 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年3月に公示され、2022年から実施される次期高等学校学習指導要領では、「目標」と「内容」に地理情報システム(GIS)の利用を掲げた新科目「地理総合」が必履修科目とされた。本研究では、地理総合で利用できる地理教育用WebGISを開発することである。その準備として、本年度は高等学校におけるGIS利用の現状と課題を明らかにするために、アンケート調査を実施した。全国の高等学校の約4割にあたる1331校を無作為に抽出して調査票を郵送し、そのうち476校(35.8%)から回答を得た。調査の結果明らかになった点をまとめると次のようになる。 まず、高校でのGIS利用率は23.9%だった。GISを利用している教員は、地理を専門とし、大学でGISを実習形式で学ぶか、GIS研修の経験者で、情報機器の整備された学校に勤務していた。GIS利用者は無償のGISソフトやサービスを利用し、WebGISへの期待が大きい。GIS利用の課題として情報機器の整備が第一に挙げられ、普通教室での投影機器とインターネット接続の普及が急務であり、この問題が解消されない限り、GIS利用の拡大は困難である。その上で教員へのGIS技術の普及が必要である。現職教員へのGIS研修に際しては、教員の意欲や技術を考慮し、WebGISの閲覧・操作を中心とした簡便な内容が求められる。 調査の結果から、「地理総合」ではWebGISの利用が中心となると予想される。WebGISで表示できるデータの整備と、高校でのネット接続環境の悪さから、インターネットに接続しなくともWebブラウザのみで表示できるGISの開発が求められているといえる。本年度の後半では、代表者の開発しているフリーGISソフトMANDARA10からWeb出力できる機能の追加を行っている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りアンケート調査を実施し、データの整備及びプログラムの開発に進みつつあるので、おおむね順調に推移しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、ブラウザGISの開発とデータのタイル画像の作成を進めていく。
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Research Products
(3 results)