2018 Fiscal Year Research-status Report
International collaborative research on tephrology, archeology and paleoecology on the Aleut ruins in the western part of the Fox Islands, Alaska
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17K01239
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
奥野 充 福岡大学, 理学部, 教授 (50309887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 俊夫 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 招へい教員 (10135387)
佐藤 鋭一 神戸大学, 大学教育推進機構, 助教 (40609848)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アレウト / テフラ層序 / 完新世 / 考古遺跡 / 海面変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年8月~9月に研究分担者の中村とともに現地調査を実施した.ウナラスカ島とウムナック島でのテフラ層序の調査および考古遺物の産出状況も確認した.特にウムナック島ではエアポート湖の湖岸に露出する泥炭層の連続試料を得た.現在,分析中であるが,今後,環境変遷の詳細を明らかにできることが期待できる.今後,乾陸上のローム層に挟在したテフラ層序とも比較・検討する予定である.また,アレウト最古の遺跡が報告されているアナングラ島にもウムナック島から船で渡り,現地の状況を確認した.ウムナック島で認められた層序とほぼ同じものが確認できたので,今後,さらに詳細を詰める予定にしている. ウナラスカ島ではイリイリウク川上流の泥炭層を検討しているが,AMS放射性炭素年代で約9 ka BPに達するものが得られ,この泥炭層が完新世をほぼカバーしていることがわかった.他の地点も検討したが,今のところ,ここが最も保存の良い泥炭層であると考えられる.こちらでも乾陸上のローム層に挟在したテフラ層序とも比較・検討する予定である. テフラの分析と特徴づけがまだ実施できていないが,AMS放射性炭素年代により大まかな枠組みは確立されてきており,今後,岩石記載や化学組成などから精密な対比を進めていくことにしている. この研究成果の一部は,23rd International Radiocarbon Conference でAMS radiocarbon dates and tephra layers of cored sediments from peat land along Iliuliuk River, southeast of Dutch Harbor, Unalaska Island, Alaskaとしてポスター発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地調査は順調に進んでいるが,室内分析がやや遅れており,最終的な成果を出すに至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,年代測定や花粉分析,テフラ分析を進めて成果をまとめていく予定である.
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Causes of Carryover |
年代測定などの室内分析が遅れたためであり,最終年度は試料を精選して効率的な分析を進める.
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