2019 Fiscal Year Annual Research Report
International collaborative research on tephrology, archeology and paleoecology on the Aleut ruins in the western part of the Fox Islands, Alaska
Project/Area Number |
17K01239
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
奥野 充 福岡大学, 理学部, 教授 (50309887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 俊夫 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 招へい教員 (10135387)
佐藤 鋭一 大阪府立大学, 理学(系)研究科, 准教授 (40609848)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アレウト / フォックス諸島 / 噴火史 / 泥炭層 / 放射性炭素年代 / テフラ層序 / アナングラ島 / 考古遺跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
アリューシャン列島東部のフォックス(Fox)諸島に属するウムナック(Umnak)島には,北端にオクモク(Okmok)カルデラ,中央部にブセビドフ(Vsevidof)火山がある.アナングラ(Anangula)島は,ウムナック島南西部のニコースキー(Nikolski)村から約7 km北方にある属島である.両島間を隔てる海の一番狭い部分は2 kmに満たない.アナングラ島では,アレウト最古のEarly Anangula phaseに属する考古遺跡(約8400 BP)が報告されている(Black and Laughlin, 1964).我々は,2019年7月にHatfield博士やSavinetsky博士らとアナングラ島の遺跡近傍にある泥炭層をその基底まで約1.7 mを掘削した.深度1.48-1.50 mと0.69-0.71 mに「T-1」と「T-2」と仮称する粗粒テフラ(最大径3~5 mm)がそれぞれ挟まれていた.共に安山岩質の溶岩片,風化岩片,遊離結晶で構成され,含まれる鉱物は,多い順に斜長石,直方輝石,普通輝石,鉄チタン酸化物である.ニコースキー周辺の完新世テフラの層序(Black, 1974, 1975)におけるAsh ⅢとAsh Ⅳに対比されると考えられる.しかし,我々が得たAMS放射性炭素(14C)年代は,深度1.61 mで2410 ± 25 BP(IAAA-190378),1.55 mで3055 ± 25 BP(IAAA-190377),0.74 mで1720 ± 20 BP(IAAA-190379)で,テフラの対比から推定される年代より大幅に若いため一致していない.ホッグ(Hog)島でもHatfield博士やSavinetsky博士らが泥炭層を掘削している.奥野はスケジュールの関係で参加できなかったので,モスクワに赴いて採取試料の観察を計画したが,新型コロナウイルスのパンデミックのため,訪問は中止された.
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