2020 Fiscal Year Research-status Report
高品位な効率性尺度と多彩な分析機能を統合するダイナミックDEAの理論構築と実践
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17K01251
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
関谷 和之 東京理科大学, 経営学部経営学科, 教授 (60256667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 芳嗣 筑波大学, システム情報系(名誉教授), 名誉教授 (00119033)
趙 宇 東京理科大学, 経営学部経営学科, 助教 (40879384)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経営効率分析 / 数理工学 / オペレーションズリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
開催前年となった夏季オリンピックおいて, DEAをベースにした各国のメダル獲得に関するモデル化と実証分析を実施した。本課題では,2段階DEAモデルによるメダル獲得効率性評価を分析した。2段階DEAとしてモデル化することで,メダル獲得効率性を量と質の両面で評価可能になった.これは従来のアプローチである重回帰分析と単段階DEAモデルでは実現できない分析機能である.さらに,目標獲得メダル数に対する実現可能性の可否を判定可能となった.公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)が掲げる金メダル30枚,総メダル枚数60枚であるが,実現可能性を評価したJOCがメダル獲得目標は実現不可能であることが分析された.その研究結果の一部をEuropean Journal of Operational Research(EJOR)に投稿し,2021年2月に採択された.”Performance benchmarking of achievements in the Olympics: An application of Data Envelopment Analysis with restricted multipliers”として,EJORのHP上に先行公開されている. DEAの重要な分析結果である改善目標提示機能に対して,実践面での要求である実現容易な改善目標の探索することは最短距離DEAの中で議論されているが,最短距離DEAには効率性尺度の公理に関する問題点と計算技術上の問題点とモデル設計の問題点があった.2020年秋から共同研究者である趙氏と山本氏と議論を重ね,最短距離DEAを線形計画問題としてモデル化可能であることを発見し,これにより,計算とモデリングの問題だけでなく効率性尺度の公理に関する問題点も解決することが明らかになってきた.これついては論文として改訂作業中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題で開発するDEA理論の適用対象をオリンピックおける各国のメダル獲得に対する評価に当初の計画から変更した.研究期間延長を決定した2020年2月には2020年東京五輪は開催予定であったが,2020年5月時点で2021年に延長が決定した.この決定を受けて,評価結果の妥当性の検証を前大会で実施することに切り替えることができた.2021年では東京五輪の評価結果の妥当性も検証できると予想している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は最短距離DEAのLP定式化に関する研究を主として,その研究成果から派生する非線形目的関数を有するDEAモデル開発の例として多段階DEAモデルの開発に焦点を絞る.適用事例の1つに2020年東京五輪におけるメダル獲得効率性分析があったが,2020年5月時点で2021年に延長が決定したので,評価結果の妥当性も2021年度で実施可能と予測している.
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Causes of Carryover |
コロナのため,研究成果の発表と打ち合わせが中止した.また,東京五輪が2021年に延長し,検証のためにデータ集計が出来なかった.そのために,予定していた旅費および人件費発生がなくなった.2021年度は東京五輪が実施されるので,その後にデータ集計を実施する予定である.また,ワクチン接種後に研究成果の発表を行う予定である.
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