2017 Fiscal Year Research-status Report
新時代の線形計画問題に対する高速アルゴリズムの開発
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17K01272
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
施 建明 東京理科大学, 経営学部ビジネスエコノミクス学科, 教授 (70287465)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 線形計画法 / 多項式時間 / Wolfeのアルゴリズム / 最小ノルム点問題 / LP-Newton法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は線形計画(LP)問題に対する高速アルゴリムの開発を行います. 関連する解法を本研究に適応させることは可能かどうかについて,参考文献の整理し,特にアルゴリズムに関する文献を中心に精査し,まとめています.不等式標準形LP問題に対して,凸多面体と半直線の共通集合上の最大化問題に等価変換をし,変換した後の問題について,内点が与えられた条件の下に,初歩なアルゴリズムの設計を行いました.このアルゴリズムはWolfe の最小ノルム点を求めるアルゴリズムを利用し,最適解を求めることができますが,Wolfe のアルゴリズムを利用しないで独立にアルゴリズムの設計もできます.どちらの方法も有限収束性を有することは言えます. Wolfeのアルゴリズムに関して,Chakrabarty-Jain-Kothari (2014)らの論文が t回の反復で,最小ノルム点のO(1/t)-近似解を得られることを示している.この結果を踏まえて,本研究で提案するアルゴリズムの計算量導出に生かしたいと思います. また,凸多面体の構成点の位置と最適解の関係を調べました.構成点の増減は最適解に影響しない必要十分条件をまとめています.この結果は本研究における重要な結果になる可能性がありますが,計算速度に貢献できるかどうかは未確認です.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概ね,当初計画の通りに研究を行っています.ただ,Wolfeのアルゴリズムの計算量について更なる分析が必要で,この点においてはややおくれていると思います. その理由は,もともと,このような分析は難易度の高い問題であり,研究時間の投入も不十分かも知れない点を上げられます.
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Strategy for Future Research Activity |
Wolfeのアルゴリズムの計算量についての分析を行い,結果を提案するアルゴリズムの設計に反映させます. また,より多くの研究時間を投入し,凸多面体の構成点の位置と最適解の関係を調べていきたいと計画しています. 不等式標準形LP問題の等価な最大化問題において,構成点の増減は最適解に影響しない必要十分条件に対して,より容易に計算上で確認できる方法の確立が急務であり,計算機実験をしながら,研究を進めていきたいです. その他の点においては,当初の計画通りの研究は順調に推移していますので,変更なしで実施したいと思います.
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