2018 Fiscal Year Research-status Report
アジア諸国を中心とした国際輸送のデータベースとモデルの開発
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17K01284
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
小坂 浩之 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (90349225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿島 茂 中央大学, 理工学部, 教授 (70108207)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | データベース / 国際輸送 / 貿易統計 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、データベースを作成する際の基礎データとなる貿易統計の特性の検討と、国際海運における環境負荷削減の調査を行った。 貿易統計の特性の検討では、ある国が報告する相手国別の輸入価額(輸入データ)と、それに対応する相手国の輸出価額(輸出データ)が一致しない貿易統計の不整合問題について、既存研究の方法による調整を検討した。貿易統計は、輸入データがCIF(Cost, Insurance and Freight)価額、輸出データがFOB(Free on Board)価額で記録されることが一般的であり、CIF/FOB比率によって整合性が評価される。調整方法では、貿易価額に加えて、貿易重量や貿易個数等の数量データに基づく貿易単価を算出し、貿易単価で調整したCIF/FOB比率を使用する。この調整方法によって不整合問題の緩和が可能であることを示した。また、CIF/FOB比率は、国際輸送コストの分析に使用できるため、調整したCIF/FOB比率に基づき、国際海運のバルク貨物に関する国際輸送コストの要因分析を行い、輸送距離や港湾施設量が国際輸送コストに影響していることを示した。国際海運における環境負荷削減については、国際海事機関(IMO)で検討されている温室効果ガス削減の分析を検討した。この際、IMOのレポート等に従って、国際海運の船種・サイズ別の運航指標とCO2排出量のインベントリーデータから、環境負荷削減を検討するためのデータベースを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、特定の品目において国際輸送コストの分析を詳細に行い、研究を着実に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、貿易統計に基づいた国際輸送コストの推計を多数の品目で実施し、その結果を運航のデータや産業活動のデータを統合する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度以降に最新の詳細貿易データを購入することを想定し、本年度は既存の一般的な貿易データの整備を行った。次年度以降では、輸送機関別の貿易統計データを購入する予定である。
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