2017 Fiscal Year Research-status Report
Developement of inspection method of both front side and rear side carburization depth in heating furnace steel tube using alternating magnetic field
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17K01299
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
後藤 雄治 大分大学, 理工学部, 准教授 (00373184)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 加熱炉鋼管表裏面浸炭深さ / 浸炭深さ検査 / 電磁気センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、加熱炉鋼管内の浸炭層と浸炭が施されていない層の初磁化曲線と導電率の測定と、鋼管表裏面浸炭層を測定する交流磁界のみを使用した電磁気センサの開発を行った。具体的には以下の通りである。 (1)浸炭層と浸炭が施されていない層の磁化曲線と導電率の測定 実際の石油精製プラントで20年間程度使用された加熱炉鋼管(STFA26材)の一部を切断し、最も炭素含有量の高い部分(炭素含有3.8%)と、浸炭が生じていない層(炭素含有0.27%)を放電加工で切出し、それぞれの初磁化曲線(B-H曲線)と導電率の測定を行った。その結果、浸炭層は浸炭が生じていない層に比べ最大比透磁率が69%低下することが分かった。また、導電率に関しては両者の差は28%であることが分かった。以上の結果から、浸炭層と浸炭が施されていない層では、透磁率及び導電率が大きく変化しているため、これらの電磁気特性差を検出することで、浸炭深さが評価できるものと考えられる。そこで、本研究では、これらの電磁気特性差を高感度に検出できる電磁気センサの開発を実施した。 (2) 電磁気センサの開発 本研究では3次元有限要素法の電磁界解析と検証実験から、電磁気センサの最適な形状・寸法や磁化条件等の選定を行った。ここではU字形の積層ケイ素鋼板材に励磁コイル部と、厚さ1mmの積層ケイ素鋼板材にコイル巻いた検出コイル部で構成されている電磁気センサの開発・提案を行った。この電磁気センサの検出原理としては、鋼管の表面から2種類の周波数の交流磁界を別々のタイミングで印加させ、電磁気センサのU字形部分と測定対象である鋼管との間に磁束の閉ループを作り、閉ループから鋼管表面に漏れた磁束を検出コイルの出力電圧として検出する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際の石油精製プラントで20年間程度使用された加熱炉鋼管(STFA26材)の入手が行え、最も炭素含有量の高い部分(炭素含有3.8%)と、浸炭が生じていない層(炭素含有0.27%)を放電加工で切出し、それぞれの初磁化曲線(B-H曲線)と導電率の測定が順調に行えた。また電磁気センサの試作も順調に行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、主に、実際に石油精製プラントで使用されている加熱炉鋼管鋼管に類似した材料の鋼管に、人工的に様々な表裏面深さの浸炭層を入れた浸炭鋼管を作製することに注視する。この試験鋼管の完成度合いが、今後の電磁気センサ開発に大きく影響を及ぼすからである。また、この試験鋼管を作成後、この試験鋼管において最適な検査条件(励磁条件や電磁気センサの改良等)の選定を行う。試験鋼管で十分に検査精度が確認された後、実際の石油精製プラントで使用されている加熱炉鋼管での検証実験を行い、実用化における検討を行う。
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Research Products
(9 results)