2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on electric power supply in case of large-scale disaster using anchoring ship
Project/Area Number |
17K01314
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Research Institution | Hiroshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
河村 義顕 広島商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (90300615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 一弘 広島商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90610064)
水井 真治 広島商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (50249843) [Withdrawn]
岸 拓真 広島商船高等専門学校, その他部局等, 講師 (70748938)
小林 豪 広島商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (90311076)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大規模災害 / 電力供給 / 災害復興支援 / 船舶 / 錨泊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は実海域における錨泊船舶からの電力供給を提案するものである。初年度については実海域における風や潮流などの外力の影響による錨泊船舶の動きを把握するための水槽実験を実施した。この実験で観察された錨泊船舶の挙動より、実海域実験における電力ケーブルの展張箇所及び長さと挙動の関係をおおむね知ることができた。 当初の予定では、平成30年度に水槽における基礎的な実験をスケールアップさせた実海域における実験を準備していたが、平成30年7月に発生した西日本豪雨災害により被災した地域における復旧及び復興事業のため、本研究テーマである実船実験で必要な重機類の借用ができない状況が長く続き、やむを得ず中止した。 そのため、電力ケーブルの張力測定に使用する計測センサーの取り付け方法やケーブルの展張方法について見直し、変更した方法の安全性を検証するため、水槽実験や予備実験を行い、その有効性を示した。 令和2~3年は新型コロナ感染症が全国的に拡大し、その感染防止をはかるため、3密となる行動様式を避ける必要があった。本実験においては、大人数を動員し、電力ケーブルの展張を人力で行う計画であったため、蔓延を防止する観点より見送ることとなった。 昨年度の令和4年2月17日、感染状況が小康状態となったので、電力供給方法の実用性と安全性の両面を検証するための実海域実験を実施した。実験当日の天候が昼過ぎから荒れ始めたため、当初予定していた測定時間まで実験を継続できなかったが、十分な成果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年7月に発生した西日本豪雨災害により、被災した地域における復旧及び復興事業のため、本研究テーマである実践実験で必要な重機類が借用できない状況が令和元年まで続いた。 令和2~3年度については新型コロナ感染症拡大防止のため、やむを得ず実験を中止していた。昨年度末に感染状況が一時的に緩んだ時期を見計らい、最大限の感染予防をよりつつ、実験を実施した。 実験については、当初予定していた長時間の実験データを採取するという目的は十分達成した。また、張力データについても外力による船体の振れ回りとの関係性が考察できるデータであったので、十分な成果を得られたものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度末に実施した十分な実験データを得ることができたので、これまでの実験結果を取りまとめ、研究テーマに掲げている大規模災害時の電力供給という面について、検証していきたい。特に、今回の実験は長時間にわたる錨泊中の船体運動が与える電力ケーブルにかかる張力への影響について検証することが目的であり、船体の動きと張力の関連性についてリアルタイムにモニタリングしながら測定できたため、成果は十分であった。 今後は関係学会に成果発表を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
予定では大人数を動員しての実験を考えていたが、感染防止を考慮し、やむなく実験方法を変更した項目が存在したために差異が生じたと考えられる。なお、年度末に実験を実施したため、実験時に消耗した実験機材の消耗品を補充することができなかった。そのため、それらの補充として使用する予定である。
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