2021 Fiscal Year Research-status Report
浅部スロー地震域は津波波源域?1662年日向灘地震津波の地球物理学・地質学的検証
Project/Area Number |
17K01328
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 裕亮 京都大学, 防災研究所, 助教 (80725052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊尾木 圭衣 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (70784130)
加瀬 善洋 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 環境・地質研究本部 地質研究所, 研究主任 (20707715)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日向灘 / 津波堆積物調査 / 浅部スロー地震 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は前年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い,予定していた屋外調査の実施ができなかったため,これらの調査は次年度に実施する予定である.また,今年度は,国の地震調査推進本部による日向灘の地震活動の長期評価第2版が公表され,本研究課題で実施中の調査研究が日向灘の巨大地震発生の評価に反映された. 浅部スロー地震に関する調査においては,2014年~2017年に実施された海底観測データの再解析を進め,日向灘浅部低周波微動震源域を新たに明らかにすると共に,これまでとは異なる特徴を持つ浅部微動活動特性を明らかにした.これらの成果は国際学術誌に投稿誌に投稿し,掲載された.日向灘における過去の海底観測データについても同様の方法で解析を行うことで,浅部微動域の特性を明らかにするとともに,長期に渡る浅部微動カタログの構築を進めプレート境界浅部のすべり挙動の理解に努める. 既往研究で公表されている数値を確認するため,宮崎市の一ツ葉稲荷神社においてGNSS測量を実施し,標高値を取得するとともに,建物の基礎の高さなどの情報を得た.断層モデルについては昨年度に引き続き国際学術誌へ論文を投稿したものの,残念ながら受理されなかった.査読結果等々を受け,断層モデル選択においてこれまでの方針から津波浸水計算をベースに行う方針に変更したため,複数のパターンで同時におこなう計算環境を構築した.今後,当時の海岸線を可能な限り復元し,計算を実施して最適な断層モデルの構築を進める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地調査に関しては研究分担者が宮崎県外在住であるため,新型コロナウイルス感染症による移動制限等もあって遅れが出ている.論文執筆など,当初予定にしていた内容は進められているが,論文の掲載までに至っておらず,引き続き努力を続ける.
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症拡大によって実施ができていない追加の津波堆積物調査を実施する.学術論文への受理を目指すと共に,研究を総括し,社会への情報発信も合わせて行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともなう研究実施の遅れのため,次年度に繰り越しを行う事にした.津波堆積物調査関係の旅費と論文投稿に関する経費として使用予定である.
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Research Products
(5 results)