2019 Fiscal Year Annual Research Report
Application of hydrophobic soil as a capillary barrier type natural slope cover layer
Project/Area Number |
17K01337
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
加藤 正司 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10204471)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 疎水性材料 / 遮水材 / 室内降雨試験 / 自然暴露試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,2種類の方法(オクチルトリエトキシシランおよび水希釈したコンクリート被覆養生材を使用)を豊浦砂とまさ土に対して適用して疎水材を作製した.降雨試験では,直径11㎝,高さ18㎝のアクリル製円筒容器に試料を入れ,土カラム(上下2層)を作製して試験に用いた.カラム上層は①未処理の豊浦砂,②シラン試薬処理豊浦砂,③被覆養生材処理豊浦砂,④未処理のまさ土,⑤シラン試薬処理まさ土,⑥被覆養生材処理まさ土である.カラム下層は未処理の豊浦砂の層であり,上下層とも一定の乾燥密度(1.5g/cm3)で設置した.降雨試験では,2cm間隔で正方形配置した降雨装置の注射針から100mm/hrの降雨強度を目安に5時間雨を降らせ,雨水の浸透を疎水材層下端に設置した水分計で確認した.自然暴露試験では,4種類の疎水性材料を約6ヵ月間暴露し続け,定期的に各試料の接触角を測定した. 得られた結果については,以下のようにまとめられる. 1)高濃度のシラン試薬,及び水希釈したコンクリート被覆養生材で処理した土試料を6か月間自然暴露して接触角の変化を測定した結果,接触角にほとんど変化はなく,疎水性は継続されることが確認できた. 2)シラン試薬で処理した疎水性材料の場合は強い疎水性を発揮し,100mm/hrの非常に強い雨に対して,5時間以上耐えることができた.コンクリート被覆養生材で処理した疎水性材料は,自然暴露状態のような通常の天候であれば疎水性を発揮し続けられるが,100mm/hrの雨に対しては充分に疎水性を発揮できることができなないことが判明した. 3) まさ土は豊浦砂と比べて粒子のばらつきが大きいため,局所的に大きな間隙ができてしまう可能性があり,その間隙から雨水が浸透しやすい.このため,遮水材料として用いる場合は,局所的な間隙を減らすため,より強く締固めて密度の高い状態とする必要があると考えられる.
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