2019 Fiscal Year Research-status Report
想定地震災害後の仮住まい対策ミクロシミュレーションの拡張開発と政策提案の検討
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17K01341
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
佐藤 慶一 専修大学, ネットワーク情報学部, 教授 (90424192)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 首都直下地震 / 南海トラフ巨大地震 / 応急仮設住宅 / ミクロシミュレーション / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
発生が危惧される想定首都直下地震では最大61万棟,南海トラフ巨大地震では最大239万棟の住家全壊が見込まれており,甚大かつ長期的な広域避難のリスクが懸念され,政府や自治体で検討課題となりつつある.本研究は,想定大規模地震後の仮住まい対策を対象として,被災者の選択を予測するモデルを構築してミクロシミュレーションを行い,事前検討や準備に資することを狙いとしている. 令和元年度は,想定首都直下地震について,収集したデータや構築した需要予測モデルを用いたミクロシミュレーションの構築を行い,概ね作業が完了した.シミュレーションは,Sato(2011)を基調としたものであるが,半壊や応急修理の扱いの追加,借上型仮設住宅の扱いの追加,「公的統計調査の調査票情報等の学術研究等への活用」制度による国勢調査の調査票情報の利用,データ入出力管理機能の整備などの作業を加えた.また,想定南海トラフ巨大地震についても,やや簡略化して同じ内容の作業を行なった. 本研究をベースに,令和元年度より開始した東京都の「大学研究者による事業提案制度」で採択された「仮設住宅不足への対応準備」事業を通じて,シミュレーション結果や被災地の情報などを用いた都民ワークショップを6度行い,さらに有識者や関連団体を集めた検討会を行った.ワークショップや検討会での議論をとりまとめ,住民向けの災害後の仮住まいに関する簡易な広報物を作成し,令和2年4月に都庁HPより公開された.
Sato(2011)「Microsimulation of Temporary Housing Situation following Urban Disaster」, Social Science Computer Review, Vol. 29, No.1, pp.103-126.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は,シミュレーション構築やワークショップ等の研究情報の作成に時間を要し,最終的な政策的検討を行う時間が十分に確保できなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は,実施したミクロシミュレーション結果および実施したワークショップの成果を精査して学術論文を作成する予定である.東京都の事業では,研究成果を参考にしながら,ワークショップ結果の再整理や検討会で議論を行い,都への政策提言をとりまとめて提出する予定である.
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Causes of Carryover |
令和元年度に実施した想定地震後の仮住まい対策ミクロシミュレーションの構築および計算結果を利用した住民ワークショップに多大な時間を要し,最終的な政策的検討を行う時間を十分に確保することができなかった.そこで,令和2年度に,これまでの研究成果を整理して学術論文を作成して,政策的検討を行うこととした.研究作業に必要な学会費用や情報環境整備に使用する計画である.
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[Book] 政策情報論2019
Author(s)
佐藤慶一
Total Pages
240
Publisher
共立出版
ISBN
978-4-320-09647-9
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