2018 Fiscal Year Research-status Report
動的ストレッチ刺激に対する骨芽細胞カルシウムシグナル制御機構の解明
Project/Area Number |
17K01361
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐藤 克也 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (10403651)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 和幸 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (00229759)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 繰り返しストレッチ / 骨芽細胞 / カルシウムシグナル応答 / メカノトランスダクション / MEMS |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,細胞伸展マイクロデバイスを使用して数Hzから数十Hz帯域での繰り返しストレッチ刺激を付与するために,デバイス駆動装置の改良を行った.昨年度行った駆動試験では,特定の周波数帯域において,ストレッチシートに生じる引張りひずみが極端に大きくなる現象が見られた.これは駆動装置の共振現象によるものであると推測された.そこで,本年度はデバイス駆動装置の再設計と製作を行った. 具体的には,重量の大きい粗動マイクロマニピュレーターを顕微鏡ステージに直接取り付ける方式に変更した.また粗動マニピュレーターと微動マニピュレーターを接続する治具も剛性を高めるように再設計し,共振周波数を高周波数帯域へと移動させた. 以上のようなデバイス駆動装置の改良を行った結果,1Hzから90Hzの帯域で細胞伸展マイクロデバイスに繰り返しストレッチ動作をさせることに成功した.デバイス駆動装置の共振に起因すると思われる駆動特性のディップは解消されたが,ピエゾアクチュエーターの駆動電圧を一定に保ったままでは,ストレッチシートに生じる引張りひずみ量に若干の周波数依存性が残された.そこで,駆動周波数ごとにストレッチシートに生じる引張りひずみ量を均一化するための駆動電圧を探索した.その結果,残存していたひずみ量の周波数特性も解消することができた. 来年度は,これまでの成果をふまえ,様々に周波数を変化させた繰り返しストレッチ刺激を細胞に付与し,その際の応答を詳細に観察する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,本年度はデバイスの改良を終え,0.2Hzから30Hz程度の周波数帯域で繰り返しストレッチ刺激の周波数を変化させ,細胞のカルシウムシグナル応答に及ぼす影響について検討する予定であった.しかしながら,デバイス駆動装置の再設計ならびに改良に予想以上の時間を費やし,細胞応答観察実験に進むことができなかった.したがって,当初の計画に対してはやや遅れていると評価する. しかしながら,本年度内にデバイス駆動装置の改良を達成することができたため,来年度は繰り返しストレッチ刺激の周波数を変化させた場合のカルシウムシグナル応答特性に及ぼす影響について,実験的に検討する段階へと進むことができる.
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度は,申請課題の計画3カ年における最終年度である.本年度での研究進捗状況はデバイス駆動装置の改良に時間を費やしたためやや遅れているが,デバイス駆動装置の再設計と改良は完了したため,次の段階である周波数を変化させた場合に,繰り返しストレッチ刺激に対する細胞のカルシウムシグナル応答特性にどのような影響が及ぶか.実験的検討に進む. 繰り返しストレッチの長時間付与に伴うフォーカスのドリフトなどは,当初の想定よりも小さいことが分かったため,実験の実施に際しての懸念事項はほぼないと考えられる.したがって,本年度の若干の遅れを取り戻して,当初の研究目標を達成するべく鋭意実験を進める.
|
Causes of Carryover |
本年度,当初計画ではデバイスの改良を終え,細胞応答観察へ進む予定であったが,デバイス駆動装置の再設計を改良に時間を費やしたため,細胞応答観察の実施へと進むことができなかった.そのため,カルシウムイオン蛍光指示薬などの購入の必要がなくなり当初計上予算に対して所要額が小さくなった.しかしながら,未使用額は25,053万円と金額が大きくなく,また次年度に細胞応答観察実施の目処も立っているため,繰り越した額は当初の計画通り蛍光指示薬などの購入に当てて使用する計画である.
|
Research Products
(9 results)
-
-
-
[Journal Article] Scan-less confocal phase imaging based on dual-comb microscopy2018
Author(s)
Eiji Hase, Takeo Minamikawa, Takahiko Mizuno, Shuji Miyamoto, Ryuji Ichikawa, Yi-Da Hsieh, Kyuki Shibuya, Katsuya SATO, Yoshiaki Nakajima, Akifumi Asahara, Kaoru Minoshima, Yasuhiro Mizutani, Tetsuo Iwata, Hirotsugu Yamamoto and Takeshi Yasui
-
Journal Title
Optica
Volume: 5
Pages: 634-643
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-