2017 Fiscal Year Research-status Report
樹状細胞を標的とした新規ナノ粒子がんワクチンのヒト化デザインの検討
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17K01371
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
矢那瀬 紀子 東京医科大学, 医学部, 講師 (10210303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦 喜久美 東京医科大学, 医学部, 講師 (30287156)
豊田 博子 東京医科大学, 医学部, 助手 (80468660)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / ガンワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
今回我々は、JIMT-1およびHCC1954がHER2を高発現することから、ヒト化マウスに移植するがん細胞としてこれらの細胞株を使用した。このHER2は乳がんのがん抗原として詳細な研究がなされており、エピトープはHLAハプロタイプの中でもHLA-A*0201にロードされることが明らかになっている。またHLA-A*0201はヒト主なHLAハプロタイプであることから、既にHLA-A*0201トランスジェニック(Tg)NSGマウスが確立されている。しかしながらJIMT-1およびHCC1954はHLA-A*0201陰性であることから、これらの細胞株にHLA-A*0201を導入することにした。HLA-A*0201をレトロウィルスベクターにサブクローニングし、パッケージング細胞に導入後、得られたウィルス上清を乳がん細胞株JIMT-1とHCC1954に感染導入した。FACSによるソート後、HLA-A*0201およびHER2に対する特異抗体を用いたフローサイトメーター解析によりHLA-A*0201高発現した安定株が得られたことを確認した。 これらの細胞株をNSGマウス移植したところ、28日目には腫瘍サイズがJIMT-1親細胞株移入マウス群の平均680mm3 でJIMT-1 HLA-A*0201陽性細胞株移入マウス群の平均687mm3 でありHLA-A*0201を導入してもヒト乳がん細胞株のNSGマウスで生着、増殖に差異がないことが明らかになった。また、HCC1954細胞株でも同様の結果が得られ、HLA-A*0201-Tg NSGヒト化マウス移植に適した細胞株を得ることができた
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに、実験施行に必要な細胞株を作成している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はHLA-A*0201-Tg NSGマウスにヒト臍帯血幹細胞を移植し、ヒト化マウスの樹立と安定的供給を目指す。
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Causes of Carryover |
安定的な細胞株の樹立が順調に進んだため、当初予定していた量の試薬を必要とせず、研究助成金を次年度分の研究に回すことが可能になった。ヒト化マウスの樹立のため、臍帯血を購入する。臍帯血から幹細胞を精製分離するための抗体、磁気ビーズを購入する予定である。
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