2020 Fiscal Year Annual Research Report
A novel nanomaterial-based system for the removal of antibodies in the blood through macrophages
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17K01386
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
姜 貞勲 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50423512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸井田 力 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (40611554)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生体材料 / 血液浄化療法 / 炎症性自己免疫疾患 / ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗体との結合を可能にするために、抗体のFc部位を認識するプロテインGを簡易除去システムの表面に修飾した。プロテインG修飾簡易除去システムの基礎評価は細胞を用いて行った。このシステムは抗体に対して優れた結合能を示すことが分かった。また、システムの本体に含まれたホスファチジルセリンにより、非マクロファージ細胞よりもマクロファージ細胞に対して高親和性を示すことも確認した。蛍光ラベル化抗体を用いた実験ではシステムの存在下で、マクロファージ細胞における蛍光強度が時間経過とともに増加することを観察した。一方、ホスファチジルセリン受容体の特異的阻害剤を添加すると取り込み量が減少したことから、システムはホスファチジルセリン受容体を経由してマクロファージ細胞に取り込まれることが分かった。 更なるシステムの有効性は心筋炎動物モデルを用いて評価した。心筋炎動物モデルはA/Jマウス(7週齢)にブタの心筋由来のミオシンを完全アジュバントと混合して皮下投与することで作製した。投与14日目から体重減少と炎症性サイトカイン産生量の増加が始まり、21日目には心重量の増加、血中IgG濃度の増加、炎症性免疫細胞の心筋組織内への浸潤が確認された。この心筋炎動物モデルにプロテインG修飾簡易除去システムを投与し、血中IgG濃度の変化を調べた。ポジティブ群に比べ、システム投与群では血中IgG濃度が減少したものの、統計学的有意差は認められなかった。しかし、システムの投与群では心筋炎の発症が著しく抑制されることを確認したため、プロテインG修飾量の増加やシステムの投与量の増加等の検討を行うことで簡易除去システムの創製が可能であることを見出した。
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Research Products
(3 results)