2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K01393
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
白石 貢一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40426284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 昌幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20220577)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高分子界面制御 / 抗原抗体結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに高分子合成とその特異性抗体との結合評価を行っている。その結果を立証するべく、高分子構造と特異性抗体との結合関係を高分子の有する特性変化との関係を検討した。即ち、中間層としての十分な長さのポリアニオン鎖長と連続したアニオン性が特異抗体との結合抑制に働くことを明らかにしているが、このポリアニオン層を中和することで、新たな結合場を提供し、特異抗体との結合が起こることを検証した。使用した高分子がコートされた表面に対して、別途カチオン性高分子を加えることで、ポリアニオン層の中和を行い、特異抗体の結合評価を行った。その結果、特異抗体との結合は、ポリアニオン鎖を含む元の高分子鎖のみの場合に比べて、向上することを確認した。この場合、ポリアニオン性が中和されることによって結合環境場が固定場としてではなく、柔軟性を有した状態で形成されていると考えられる。一方で、固定された疎水面を直接結合場とする場合と比べると、その結合性は十分に高いとはいえない結果となった。この実験の結果は、非特異的な疎水性面は十分に高い相互作用を示すため容易に結合可能となるが、一方で、結合場が形成された場合でも、その柔軟性によって結合抑制に働くことを示す結果であると考えられる。この実験結果は抗原となる高分子に対する特異性抗体の特異性があることとは別に、結合に十分な場の必要を示している。次に、特異性抗体と高分子からなる構造体との関係について詳細な検討を進めている。特異性抗体と高分子の結合には特定濃度領域に閾値があることを見出した。これをより詳細に解明するためには濃度と高分子溶液状態の解析が必要である。また、研究を進めていく中で新たに予想とは異なる方法により特異性抗体を減少させる手法が見つかっており、この効果については次年度に詳細な検討をin vitro、及びin vivoにて行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に高分子合成、及びそれを用いた動物実験の一部を開始できていた。そのため、本年度は、より詳細なメカニズム解析に重点をおいたことにより、予想外の結果が得られている。これについては詳細な解析が必要であるため最終年度に引き続き評価を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は動物実験を主に研究を進めるが、高分子を基盤とした評価を続ける。一方で、新たに見出した現象の検証をin vitro実験、及びin vivo実験を行うこととともに解明を進める。
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Causes of Carryover |
初年度動物実験の回数1回分費用を削減され、繰り越し分となったため。
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