2019 Fiscal Year Research-status Report
肩腱板断裂に対する新しい再生医療手術の開発:自家大腿筋膜による肩関節包再建術
Project/Area Number |
17K01397
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
三幡 輝久 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (30425053)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腱板断裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
肩上方関節包再建術(腱板断裂によって失われた肩関節上方関節包を再建する手術法)は、修復不能な腱板断裂に対して高率に機能回復が期待できる新しい手術方法であり、近年良好な治療成績が国内外で報告されている。本研究においてその生体力学的研究を行うことで、手術成績の向上が期待できると考える。平成30年度においては新鮮凍結屍体肩を用いて本実験を行った。予備的研究の結果から推察された通りに、腱板断裂モデルを作成することにより、肩峰下接触圧は増加し(肩峰下インピンジメントをシミュレート)、肩甲上腕関節の上方動揺性(骨頭の上方化をシミュレート)も増加した。このため今回作成した腱板断裂モデルは臨床に近い状態(腱板断裂により上腕骨頭が上方化し、肩峰下に衝突する)と考える。さらには肩上方関節包再建術を行うことで肩峰下接触圧と肩甲上腕関節の上方動揺性は減少し、ほぼ正常化した(上腕骨頭の位置が下方に下がることで正常腱板に見られる上腕骨と肩甲骨の位置関係に戻し、それにより上腕骨頭が肩峰にも衝突しなくなった)。このため我々の仮説を証明することができたと考える。 腱の変性が強い腱板断裂に対する腱板修復術の治療成績を安定させることは容易ではないと考えられているが、本研究において腱板修復術に上方関節包再建術を追加することにより、腱板修復術を単独で行う場合よりも肩関節上方安定性が改善するという結果が得られれば、腱板修復術の治療成績を向上させる可能性が高く、大変意義深いと考える。 次年度は学会発表を行い、論文を投稿する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大により、論文の投稿が少し遅れているが、次年度に投稿し、この研究を終了する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は論文を投稿する計画である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大により論文の投稿が遅れたため、期間延長を行い次年度に繰越すこととした。 次年度に論文投稿を行うため、論文投稿料等に使用する予定である。
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