2017 Fiscal Year Research-status Report
医師の技量に依存しないクローラ型自走式大腸内視鏡デバイスの開発
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17K01429
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
永瀬 純也 龍谷大学, 理工学部, 講師 (70582245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 圭二 龍谷大学, 理工学部, 准教授 (80405232)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フレキシブルクローラ / 大腸内視鏡 / 大腸モデル挿入実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の大腸内視鏡検査は,管状のスコープ型内視鏡を肛門から盲腸まで挿入していくことによって診察を行う.しかし,大腸は全長が約2mと長いだけでなく,体腔内に浮いてたるんでいる部分や急な屈曲部分といった複雑な形状をしているため,スコープ型内視鏡による大腸検査は高い技術を要する.また,その挿入時間や大腸への負荷は医師の技量に大きく依存し,技術を習得した医師でも最端部の盲腸までの到達時間が30分以上掛かる場合も少なくない.そこで本研究では,内視鏡の挿入時間低減および大腸への負荷低減による患者の負担軽減のために,高い推進性能と柔軟性を有する細径の紐状クローラ機構を提案・開発することを目的としている. 2017年度は,フレキシブルシャフトに複数の連結したクローラをモータ1つで駆動する“紐状クローラ機構”のプロトタイプの設計・開発を行った.これにより,デバイスの最外径を約φ16mmまでの小型化に成功した.また,クローラベルトの長さと弾性力との定性的関係を理論と実験の両面から明らかにした.内径φ28mmのパイプでの走行実験では,ベルト歯数7歯の長さを有するベルトのときに弾性力が極大値をとることが確認された.また,先頭クローラのベルトを機体片側のみに配置した受動ステアリング機構の開発を行った.実証実験では,提案機構により任意の方向に内視鏡を挿入できることが確認された.さらに,本クローラ機構の大腸内視鏡への応用可能性を検証するために,大腸モデルへの挿入実験を行った.結果,約7分弱で,肛門から盲腸部まで挿入することに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
フレキシブルシャフト駆動型構造および紐状クローラ機構の開発とその実証実験にに成功している.また,大腸モデル挿入実験では,肛門から盲腸までの到達時間が約7分弱と,計画当初は予想もしない優れた挿入性能を示した.以上より,当初の計画以上に進んでいると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,まずデバイスの細径化に取り組む.2017年度のプロトタイプは最外径がφ16mmであったが,2018年度はφ14mmを目指す.また,湾曲能動ステアリング機構を開発し,挿入性能の向上に取り組む.
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Causes of Carryover |
提案機構のデバイスの開発に当初予定より少ない試作回数で済んだため,次年度使用額が生じた結果となったが,2017年度の研究により,当初予定していなかった能動ステアリング機構を新たに設計・試作する必要が生じたため,その費用に充当する.
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Research Products
(2 results)