2019 Fiscal Year Annual Research Report
Developmemt of electrochemical biosensor for amyloid beta peptide which can realize early diagnosis of Alzheimer's disease
Project/Area Number |
17K01430
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
藤井 敏司 甲南大学, フロンティアサイエンス学部, 教授 (80271518)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ / バイオセンサ / 電気化学 / 修飾電極 / インピーダンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、超高齢化社会を迎えた現在における喫緊の課題であるアルツハイマー病の発病リスクを発症前の早期に可能とする測定システムの構築を目的とした。 我々が開発した、アルツハイマー病の原因物質と考えられるアミロイドβペプチドの凝集を促進するペプチドAFPPを、電極上に修飾し、AFPP修飾電極上にアミロイドβペプチドを集積させることで、短時間(1時間以内)に高感度かつ簡便にアミロイドβペプチドの定量が可能な電気化学的センサの構築に成功した。抗体を用いない検出法としては、非常に高感度な測定法を開発することができたが、目的とする血漿中のアミロイドβペプチドを検出する感度には達していなかった。 そこで、本科学研究費補助金で導入したインピーダンス測定装置によりインピーダンス測定を行うことで、電極表面の状態と検出感度について検討した。その結果、AFPPの固定化によるインピーダンス変化は、温度や固定化条件を一定にしても、ばらつきが大きく条件を揃えることは困難であったが、アミロイドβペプチドの検出には、表面インピーダンス状態はあまり影響を及ぼさないことが分かった。 また、新たな検出法として、従来の銅イオンを添加して電流値を測定する方法ではなく、AFPP修飾電極上に集積したアミロイドβペプチド量による、インピーダンス値の変化より定量を試みたところ、銅イオン法よりも高感度に定量できる可能性を見出した。 今後、電極表面積の拡張、凝集条件検討などと合わせてさらなる高感度化に向けて研究を進めていく。
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