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2017 Fiscal Year Research-status Report

心臓再同期療法の治療効果に血管内皮機能が与える影響

Research Project

Project/Area Number 17K01437
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

油布 邦夫  大分大学, 医学部, 准教授 (00437930)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords心臓再同期療法 / 冠血流予備能 / 血管内皮機能 / 予後
Outline of Annual Research Achievements

心臓再同期療法すなわちCardiac resynchronization therapy (CRT) は重症慢性心不全に対する治療法である。CRTに対する反応は全患者に認められるわけではなく、全患者の6-7割において術後半年ー1年で左室収縮期容量の縮小がみられる反応者、すなわちレスポンダーと判定される。近年このレスポンダーを年単位で予後観察すると レスポンダーであるにもかかわらず心血管イベントすなわちmajor adverse cerebral and cardiovascular events (MACCE)を起こす患者が存在する。冠血流予備能すなわちcoronary flow reserve (CFR) は心臓の冠微小血管の灌流の機能を表すが、これがCRTのレスポンダーの長期のアウトカムを予測できるかどうかを調査した。CRTを受けた慢性心不全患者のうち、53例の術前CFRを観察できた。その中でレスポンダー34例について調査すると、MACCEのカットオフ値はCFR1.35であった。CFR>1.35をpreserved CFR、CFR≦1.35をdepressed CFR群と定義して検討した。単変量解析でMACCE発症の寄与因子として拡張型心筋症でないこと、腎機能が悪いこと、CFRが低いことが抽出された。またdepressed CFR群ではKaplan-Meier生存曲線解析で有意にMACCEの発症が多かった。すなわちレスポンダーであっても冠微小灌流の障害が強いものでは心血管イベントを起こしうることが分かった。
以上の成果は心臓再同期療法のレスポンダーが、一旦反応したもののその後心血管イベントを起こす原因を解き明かしその対策としての臨床的対応を考えるうえで大きな一歩となる可能性がある。またあらかじめ心血管イベントを起こす可能性が高い患者を予測できればその予防策をとることでイベント自体を減少できる可能性があり重要性が高いと考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

十分な症例数が順調に得られており、承諾書の取得も進んできている。フォローアップも順調に当科のデバイス外来でできている。血管内皮機能測定、冠血流予備能等検査は当院にて安全に測定できている。協力者とも研究の進捗状況について確認し情報を共有している。

Strategy for Future Research Activity

前年度のプロトコールをさらに継続し,登録患者数を達成する。
CRTのレスポンダーのアウトカムは非常に興味深くまた本治療法において重要なものであるので、さらに血管内皮機能での評価がどうなのか。冠血流予備能と比較してその予測能力が違うのか。それらを詳細に調査することでCRTの方法そのものに反映できるような成果を上げてゆく方策である。研究成果は国際誌で論文の形で公表する他、国内外の学会でも発表する。

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Published: 2018-12-17  

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