2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on operation training system for medical engineering
Project/Area Number |
17K01441
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
金平 蓮 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (80262947)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 教育訓練支援システム / 医療機器 / 実践型eラーニング / 臨床工学 / 情報提示 / スキルアップ / 動作測定と定量化 / 医療安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、臨床工学専攻の学部教育において、医療機器の操作法習得における問題点を明らかにすると同時に、研究課題を絞り込み、問題解決法の検討と提案およびコンピュータ教育訓練支援システムの構築を行っている。 本研究では、医療と臨床分野における一般的なE-learningを目的している知識の学習に対して、動作訓練を必要とする透析装置のトラブル対処及び透析穿刺動作を対象に操作教示を研究課題とした。そこで、構成されたシステムにおいて、安全かつ確実な操作を覚えさせるため、トラブルシューティングに重点をおいた電子教材の作成を行った。透析における穿刺の学習支援システムの構築では、操作項目順を細分して教材を穿刺の流れに沿って構成しスライド教材を作成した。穿刺技術では細かな動作を示すのに、文字のみの表現ではなく実際の写真や動画なども使用した。検証実験によって知識だけでなく操作の学習効果が得られることが確認された。 また、今年度ではCOVID19による未曾有の事態の只中には医療従事者はその対応に追われた。本研究では「新型コロナウイルス感染拡大における臨床工学技士としての役割」の研究課題も取り上げた。そこで臨床工学技士は、重症肺炎治療のための人工呼吸器やV-V ECMOといった医療機器の取り扱いや、感染症の重症化のリスクが高い透析患者と関わることが多く、新型コロナウイルス感染症の治療補助と感染拡大防止の両方について十分な知識が求められる。そこで、本研究では公表された信頼度の高い資料を抽出し、臨床工学技士の新型コロナウイルス感染拡大下での実際の役割とその詳細について読み解き、電子教材を作成することで、実践的かつ効果的な知識の向上を目指した。利用者のアンケート結果より、本教材によって自身の知識の増加を実感し、また、新型コロナ感染拡大現場においての臨床工学技士の役割について興味が引かれたと答えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では研究計画通りにまず臨床工学技士の業務に操作性と関わりの多い医療機器の一つ、透析装置のトラブル対処及び透析穿刺動作を対象に操作教示を研究課題とした。そこで、構成されたシステムにおいて、安全かつ確実な操作を覚えさせるため、トラブルシューティングに重点をおいた電子教材の作成を行った。透析の穿刺学習支援システムの構築では、操作項目順を細分して教材を穿刺の流れに沿ってスライド教材を作成した。穿刺技術では細かな動作を示すのに、文字のみの表現ではなく実際の写真や動画なども使用した。 本研究では現状の教科書による知識教授及び実機器による技術実習の支援システムとして、コンピュータマルチメディア技術を用いた臨床工学技士教育訓練システムの構築を行っている。そこで、臨床工学の学生の学内実習および臨床実習に役立つ学習支援システムの基本を作成した。透析装置を機器例として取り上げ、それに対して、基本操作の教示法とトラブルシューティングの学習モデルを提案した。操作順の項目細分や手本操作の動画、クイズなどを活かしたマルチ教材を構成した。対話実験によって、作成した繰り返し学習が可能な電子教材の有効性が確認された。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究では、医療機器の操作法の教示と訓練を中心課題として提案とシステムの構成の研究展開を進めてきた。今後の推進方策として、マルチメディアを活かした実践型eラーニングを用いることで、より効率的に学習訓練を行えるシステムの構築と展開を行う。そこで、知識習得の文章の説明を読むだけではなく、学習と操作の内容と応じて質問を答えたり、リアルタイムに正誤判断を受けたり、知識の理解を深めることを図る。また、教育訓練支援システムのマルチメディア機能を活かして、文字だけでなく、図形や映像、音声などを利用し、更に身体的な体験を行うことによって、より有効な学習と訓練システムの構築及び実用化を目指す。 今後より高度な知識と操作技術を教示できるようなシミュレーションシステムの構築にあたって、対象機器を増やして、それぞれ機器の操作の特徴を抽出する。操作訓練の教示データを取得するために、熟練技士の操作を記録、測定し、定量化することによって、それぞれの医療機器の学習訓練の指標を決定する。学習者が視覚情報だけでなく、安全操作を体験しながら、スキルアップできる教育訓練システムの完成と実用化を目指す。更に、研究目的をより精緻に達成するためにシステムの追加検証を行い、利用者による教育訓練支援システムの有効性の確認を実施する。得られた研究成果を学会発表や論文投稿を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
COVID19感染拡大によって本研究の検証実験(アンケート調査)及び国内・国際学会への参加、論文発表などは計画通りに進むことができなかったため、今後COVID19感染を制御できた後、システムの追加検証を行い、研究成果の学会発表及び論文投稿に利用する。
|
Research Products
(2 results)