2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of quantitative analysis method for biofilm using DNA and RNA information, which is applied to evaluation of infection diseases about medical materials.
Project/Area Number |
17K01442
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
小川 亜希子 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90455139)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バイオフィルム / 遺伝子発現 / 定量 / RNA / 大腸菌 / 表皮ブドウ球菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療器具利用の問題のひとつは、バイオフィルム形成による感染症の発生・重篤化である。この防止のためにバイオフィルム形成を抑制する材料開発は極めて重要であり、その際に、バイオフィルム形成を正確かつ簡便に定量化する必要がある。しかし現状では、形成されるバイオフィルムの種類に依らない普遍的なバイオフィルム定量化法がない。そこで本研究では、バイオフィルムの構成要素である細菌を対象として、細菌の有するDNAやRNA発現情報を利用した簡便かつ正確なバイオフィルム定量方法の構築を目指している。 本研究では、バイオフィルム形成のモデル細菌として大腸菌(Escherichia coli K-12株)と表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis ATCC35984)を選定し、細胞バンクから購入した。また、医療器具の中でも尿路カテーテルを想定し、その素材として利用されることの多いシリコーン基板をモデル素材とした。さらに、シリコーン基板上でのバイオフィルム形成を加速させる目的で、バイオフィルム形成加速装置を設計・製作しし、各細菌についてバイオフィルム形成試験を実施した。この時、バイオフィルム定量には既存のクリスタルバイオレット染色法を使用し、バイオフィルムの同定にはラマン分光分析法によるバイオフィルム成分の検出を利用した。その結果、大腸菌について、バイオフィルム形成の培養条件(時間、温度、回転速度)を決定し、シリコーン基板上に形成されたバイオフィルムから無傷なRNA抽出に成功した。今後は、得られたRNAを用いてマイクロアレイ解析を実施し、バイオフィルム形成に関連のある遺伝子(群)の候補を決定し、データベース情報とを組合わせてRNA発現情報を利用したバイオフィルム定量法に取り組む。一方、表皮ブドウ球菌については、現在、バイオフィルム形成の培養条件を設定している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定(平成29年10月完成)に比べて、バイオフィルム形成加速装置の製作に時間がかかった(平成29年11月末)ことにより、本装置を利用したバイオフィルム形成試験の実施が遅れた。さらに、大腸菌におけるマイクロアレイ解析の際、得られたRNAは、マイクロアレイ解析に必要な量と品質を下回っており解析不可能となったため、RNAの品質向上と必要量の確保のために培養条件を再検討に時間を費やす結果となった。これにより、マイクロアレイ解析の開始が平成30年の4月にもつれ込んでしまった。 一方、当初は表皮ブドウ球菌によるバイオフィルム形成試験については平成30年度から開始予定であったが、前倒しし、バイオフィルム形成加速装置を用いたバイオフィルム形成試験の条件を決定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、バイオフィルムの定量にはDNAとRNA発現の両方の利用を想定していた。しかし、バイオフィルム形成加速装置内での実験条件の制限があり、DNA抽出は断念せざるを得ないと判断した。従って、今後はRNA発現情報飲みにターゲットを絞ってバイオフィルム定量系を構築していく。この時、DNAの代わりとして、ハウスキーピング遺伝子(発現量が細菌の状態で変わらない遺伝子)またはリボソームRNAといったRNA量の基準を設ける計画である。 今後は、大腸菌によるマイクロアレイ解析結果と、データベース上のバイオフィルム形成関連遺伝子情報とを組み合わせ、バイオフィルム形成に関連する遺伝子(群)の候補を選択し、それらについて定量PCR法によるバイオフィルム定量系を構築していく。また、表皮ブドウ球菌については、バイオフィルムからのRNA抽出を成功させた後、大腸菌の結果を踏まえて定量PCR法によるバイオフィルム定量系の構築を進めていく。
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Causes of Carryover |
RNAマイクロアレイ解析が、平成29年度から平成30年度へと延期になったことに伴い、支払いが遅れた。 平成30年度は、RNAマイクロアレイ解析を行う。さらに、その解析結果に基づいて、定量PCRの系の構築を実施して大腸菌でのバイオフィルム定量系を構築していく。 なお、得られた成果は、随時論文や学会発表を行っていく。
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[Journal Article] Effect of Sulfur Content on Microbial Composition and Biodegradation of a Brazilian Diesel and Biodiesel Blend (B10)2017
Author(s)
de Azambuja, Aline O., Cazarolli, Juciana C., de Quadros, Patricia D., Bucker, Francielle, Correa, Camila, Casagranda, Juliano C., Ferrao, Marco F., Celikkol, Sukriye, Ogawa, Akiko, Bonifay, Vincent, Sunner, Jan A., Beech, Iwona B., Bento, Fatima M.
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Journal Title
Energy & Fuels
Volume: 31
Pages: 12305-12316
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Microbial communities on painted wet and dry external surfaces of a historic fortress in Niteroi, Brazil2017
Author(s)
Ogawa, Akiko, Celikkol-Aydin, Sukriye, Gaylarde, Christine, Baptista-Neto, Jose Antonio, Beech, Iwona
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Journal Title
International Biodeterioration & Biodegradation
Volume: 123
Pages: 164-173
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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