2018 Fiscal Year Research-status Report
革新的脳血管治療デバイス:フローダイバーターの省資源非臨床評価システムの構築
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17K01444
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
岡本 吉弘 国立医薬品食品衛生研究所, 医療機器部, 室長 (40776027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
太田 信 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20400418)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フローダイバーター / ステント / 留置後形状 / 形状予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
フローダイバーター留置後の血管形状変化の評価方法について検討し、問題点の把握と対策を検討した。問題点としては、フローダイバーターを使用する脳動脈瘤のサイズは直径10mm以上と大きい場合が多く、その影響で血管や瘤内への造影が不十分な場合があり、血管と動脈瘤の抽出が上手くいかない場合が確認され、その様な症例は評価の対象外とすることにした。 血管および脳動脈瘤の透視画像が良好な症例にて、フローダイバーター留置後6ヶ月での血管形状の変形について確認した。血管形状の変形が目視でも確認された症例があり、この形状変化が大きい症例について、変形量の定量的な評価法を検討した。対象とした症例は、確認した症例群の中では、形状変化が大きい症例であったが、透視画像上、明確に血管形状変化をきたしている症例ではなく、一般的にはフローダイバーター留置後の血管形状変化は小さいことが予測された。 本年度は、新たに血管の直線化による血流への影響を確認するため、模擬的な動脈瘤を含む血管形状を構築し、血流解析により血管形状変化の影響を検討した。血管と動脈瘤の位置の関係、屈曲度合の違いについて評価し、血管と動脈瘤の接触面積が少ない場合は、血管が直線化した場合においても、瘤内の血流の変化が少なかった。反対に、血管全体が膨らみ紡錘状となる動脈瘤等、血管と動脈瘤の接触面積が大きい場合において、血管が直線化した際の動脈瘤内の血流変化が大きいことが示唆された。 また、先行して、血管モデルの硬さ検討用の基礎データ取得のため、90度の屈曲状態の血管モデルにて、想定される範囲の硬さ3種類にて血管モデルが作成できるか検討し、材料の配合調整にて想定する範囲にて硬さの異なる血管モデルが作成可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
留置後の血管形状の変化の評価については、中心線を用いて評価することを検討していたが、脳動脈瘤が親血管に対して、どの様に配置しているかにより、中心線を一義的に決定するのが難しい症例が存在することが判明した。また、血管造影の際に、血管や瘤内全体に造影剤が流れない場合の対処法について検討が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
フローダイバーター留置後の血管形状の変化について、定量的に評価可能な方法の検討を引き続き実施し、その変化について定量的に測定する方法を確立する。上記結果より、その変形度合いを模擬可能な動脈瘤を含む病態血管モデルに必要な特性を検討しする。検討時に使用されたフローダイバーターが入手できない可能性もあるので、その際は硬さ特性が近い、ステント等を用いて検討を進める。 血管の直線化に伴う、動脈瘤内の血流への影響について流体解析を進め、直線化に伴う基本的な影響について評価を実施する。 フローダイバーター留置後形状の予測方法のについては、解析できる症例が限られ一般的な結果として検証することが難しいと考えられるので、他の課題の検討を優先させる。
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Causes of Carryover |
血管形状の変化を定量的に評価する方法の決定が遅れているため。また、血管モデル検討用の医療機器に何を使用するか検討中で、購入が遅れているため。
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