2017 Fiscal Year Research-status Report
Longitudinal study on cardiac response during exercise in connective tissue disease
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17K01450
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
染矢 富士子 金沢大学, 保健学系, 教授 (60187903)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膠原病 / 肺機能 / 心機能 / 運動 / 体力 / 生活の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
膠原病には多くの合併症があり、その中に間質性肺炎と肺高血圧症がある。これまで、横断的研究で、膠原病の一つである全身性強皮症において間質性肺炎と運動耐容能との関連性を示してきており、インピーダンス法を利用した非侵襲心拍出量計による運動中の心機能評価で、1回拍出量と肺機能や6分間歩行距離との間に相関があることが見いだされた。 本研究では、横断的研究でデータを得られた症例を縦断的に複数回評価し、心機能や運動耐容能の追従性を検証することを目的としている。評価方法としてはこれまでと同様、インピーダンス法による運動中の心拍出量、1回拍出量、心拍数としている。また、同時に、間質性肺炎による生活の質の経時的変化にも注目し、呼吸循環器機能との関連性において生活の質に与える影響についても検討している。 横断的研究で得たデータは約100例であり、今回、その中から縦断的にパイロットスタディーとして9例について学会報告している。その内容として、運動中の1回拍出量の経時的変化は肺活量と肺拡散能の経時的変化と関連性がみられ、心臓と肺は別の臓器でありながら、肺機能が心機能に経時的にも影響を与えることが示唆された。現在、縦断的研究症例のデータを蓄積中であり、本研究の終了時に詳細な報告をする予定である。また、生活の質についても、疾病の発症5年を境に改善が困難となることを示した。 また、これまでの研究は主に全身性強皮症についての成果が中心となっていたが、来年度は皮膚筋炎・多発性筋炎についても検討することにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全身性強皮症患者の運動時心肺機能の経時的変化についてはパイロットスタディーとして学会発表をしている。発表内容として、膠原病では、肺機能が心機能に経時的にも影響を与えることが示唆され、6分間歩行距離は肺機能の変化を直接受けるのではなく追従する心機能によって変化すると考えられることを示した。 また、生活の質の縦断的研究では、56例を対象として英論文として発表しており、疾病発症後、肺機能障害が低下し続けるのに反して5年以内であれば生活の質が向上し、5年以上経過すると生活の質の悪化が避けられないことを示した。 今後のデータ解析に必要な新たな縦断的研究の対象者は日々増えており、研究内容の充実をはかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では、研究に必要なデータを蓄積中であり、適宜途中経過として業績を発表している。全体的な経過としては順調である。特に、来年度は様々な膠原病の中でも、皮膚筋炎・多発性筋炎の縦断的心機能の解析の報告を行う予定である。
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Research Products
(5 results)