2018 Fiscal Year Research-status Report
神経活動変化を基盤としたリハビリテーションアプローチの効果機序に関する研究
Project/Area Number |
17K01458
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大渡 昭彦 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (30295282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30325782)
川田 将之 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (30783477)
吉田 輝 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (40347109)
木山 良二 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (60315413)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳の可塑性 / 神経伝達物質 / マイクロダイアリシス / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、運動学習や機能向上を効果的に促進する、最適な運動刺激や物理的な刺激を、主に脳内物質(神経伝達物質や神経栄養因子、それらのレセプターなど)を指標として明らかにすることを目的としている。このことにより、リハビリテーションによる機能変化のプロセスを脳内物質の変化から明らかにでき、より効果的な運動療法や物理療法、またはリハビリテーションと併用した薬物療法の研究基盤が確立できる。 昨年度は、特に臨床応用を目的として、脳波に関する基礎研究を行い、運動や物理刺激に対する反応から、心理的な変化や行動変容に関する検討を行った。具体的には汎用性を考慮した簡易脳波計を利用して、得られたデータをbluetoothでパーソナルコンピューターに取り込める機能を利用して、分析するプログラムを開発し、最初にこの機器の信頼性や妥当性の検討を行った。結果として、信頼性や妥当性に関しては従来の国際 10-20 法による脳波計と遜色ないものであった。今年度はその応用を試みるために、小児のコミュニケーションツールを目指して心理変化について検証した。また、動作時も安定してデータ取得が可能になり、バスケットボールシュート時やダブルタスクの課題遂行時の可能性についても検証を行った。この結果を受けて、運動学習などのリハビリテーションと関連深い分野での応用が更に期待できる。これらの研究結果と、神経伝達物質の変化を関連付けることで、より有効な根拠に基づいた治療法の開発が可能になると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで共同研究で協力をいただいているリハビリテーション医学講座の移転があり、それに伴って実験室の移動が必要となった。実験環境を再構築する必要が生じたため、研究の進捗状況がやや遅れることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在では移転が終了しているが、設備の設置や競りが不十分であった。しかし、4月から私の担当の大学院生が入学し、他の職員の協力も得られる状況になったため、ようやく今後の研究を推進できると考えている。
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Causes of Carryover |
本研究では、運動学習や機能向上を効果的に促進する、最適な運動刺激や物理的な刺激を、主に脳内物質(神経伝達物質や神経栄養因子、それらのレセプターなど)を指標として明らかにすることを目的としている。 これまでの研究では神経伝達物質を生理学的な指標として使用するために、マイクロダイアリシス法を主体として行っている。更に、組織学的な手法を用いて神経栄養因子などの発現を免疫染色で行ってきた。しかしながら、遺伝子レベルでの発現を確認する方法は十分に確立できているとはいいがたい。特に実験室移動などで滞っていた研究を、人員補充によりこれまで不十分であった分野も行えると考えている。そこで、翌年度分として請求した助成金と合わせて、リアルタイムPCRの機器を新しく購入する予定である。
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Research Products
(3 results)