2017 Fiscal Year Research-status Report
脳性麻痺児の移動能力変化に関する臨床応用可能な評価法を用いた縦断的研究
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17K01460
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
樋室 伸顕 札幌医科大学, 医学部公衆衛生学講座, 講師 (80516576)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳性麻痺 / 移動能力 / 縦断的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳性麻痺患者の移動能力低下は、社会参加の制約や疾病リスクとなる。そのため移動能力低下予防は脳性麻痺患者へのリハビリテーションにおける喫緊の課題であるが、経過や原因は不明な点がおおい。私たちはこれまで、成人脳性麻痺者は早期から移動能力低下を自覚していること、粗大運動機能レベルによってその時期と割合と、その原因と考えられることが異なることをアンケート調査によって明らかにした。さらに、移動能力低下と歩行能力の関係を知るために、臨床的に使用できる歩行・移動評価法を明らかにした。本研究の目的は、脳性麻痺患者の移動能力の変化を臨床応用可能な評価法を用いて縦断的に調査し、移動能力低下の関連因子や歩行能力との関連を明らかにすることである。そして本研究の成果を脳性麻痺患者への予防的リハビリテーションの指針とすることを目指す。 平成29年度は以下の課題を行った。(1)116人の脳性麻痺児を対象に歩行遂行能力を評価するABILOCO-Kidsを評価し、構成概念妥当性、併存的妥当性、再テスト信頼性を証明した。さらにRasch分析により、質問項目の難易度を明らかにし間隔尺度化したことで結果の解釈や統計解析を容易にすることができた。(2)対象施設におけるハンドヘルドダイナモメーターを用いた筋力測定方法の標準化を行った。(3)3例を対象に全測定項目を実施し、測定手順の確認を行った。 平成29年度の成果を踏まえて、平成30年度以降は縦断的にデータ収集を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ABILOCO-KidsのRasch分析、ハンドヘルドダイナモメーターによる筋力測定の標準化を終えることができた。対象者のリストアップは研究協力者の協力のもと終えており、現在データ収集のスケジュール調整を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集する。研究協力者と月1回のミーティングで進捗状況と評価方法を確認する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は以下の2点である。一つ目は、今年度投稿した論文は当初オープンアクセスジャーナルへの投稿を予定していたが、投稿費用がかからないジャーナルへの投稿へ変更したこと、二つ目は予定していた学会参加を取りやめたため旅費を使用しなかったためである。オープンアクセスジャーナルへの投稿と学会参加は次年度に行う予定である。
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