2017 Fiscal Year Research-status Report
Prediction of prognosis of post-stroke hemiparesis using tractography of the pyramidal tract
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17K01464
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
加藤 宏之 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (60224531)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳卒中 / リハビリテーション / トラクトグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の画像診断の進歩により脳卒中後の脳活動を非侵襲的に検討することができるようになった。これまでの研究によれば、脳卒中後の運動機能の長期におよぶ回復は、損傷脳半球および非損傷脳半球の両側における大脳皮質運動機能の代償、動員、再構築により促進されることが示されている。しかし、脳卒中後の運動機能の回復と脳の運動機能再構築の機序は不詳のままである。 今回われわれは、fMRIにより評価される運動機能再構築とトラクトグラフィーにより評価される錐体路の構造の関連を横断的研究により検討した。 脳卒中後に軽度片麻痺のある患者16名(19回の検査、男13女3名、年齢47-80歳、左片麻痺8名/右片麻痺8名)において、手の運動課題によるfMRIと錐体路トラクトグラフィーを行った。 結果は、①錐体路の構造が維持されていた患者ではfMRIによる脳活動は正常または減少していた。②錐体路が損傷されていた場合、半数の患者で脳活動の再構築が認められた。錐体路が正常に描出された12例では、発症3-13日後には、fMRIによる脳活動は6例で正常、3例で低下しており、発症1-12か月では、fMRIは2例で正常、1例で低下していた。錐体路の損傷が描出された7例では、発症4-14日ではfMRIによる脳活動は2例で正常、1例で減少、1例で再構築されており、発症1-5か月では、fMRIは1例で正常、2例で再構築されていた。 以上より、脳卒中による錐体路の損傷は脳卒中後の脳運動ネットワークの再構築を誘導する機序になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例の集積が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、脳卒中後の片麻痺を有する患者のトラクトグラフィー検査を継続して収集し、データの蓄積に努める。
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Causes of Carryover |
少額なので調整しなかった。 次年度に使用する。
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