2020 Fiscal Year Research-status Report
神経変性疾患の高次脳機能障害と運動障害への相乗効果を目指したリハプログラムの構築
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17K01465
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
宗宮 真 群馬パース大学, 保健科学部, 准教授 (20302474)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 医療・福祉 / 脳神経疾患 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
運動障害を中核症状とするパーキンソン病などの神経変性疾患の病態と治療を考える上で、運動障害と非運動症状である高次脳機能障害との関連がこれまで報告されている。本研究では、特にパーキンソン病の運動障害に対するリハビリテーションプログラムによる効果が、高次脳機能障害のうち、特に前頭葉機能障害と関連するかについて検討した。具体的には、前頭葉機能の評価をFrontal assessment batteryを用いて、歩行障害と姿勢反射障害、および各障害に対するリハビリテーション効果を三次元動作解析装置と外乱刺激機能をもつ動的重心動揺計などの計測機器を用いて検討した。得られたデータをもとに統計解析を行い、運動障害のうち、歩行障害と姿勢反射障害に対するリハビリテーション効果で、それぞれ異なるFrontal assessment batteryサブスコアとの関連を検出することができた。歩行障害に対するリハビリテーション効果については、運動プログラミングのスコアが保たれている群で歩行についての諸指標の改善が認められた。これに対して、姿勢反射障害に対するリハビリテーション効果については、抑制機能、把握反応(環境に対する被 影響性)のスコアが保たれている群で、姿勢保持についての指標の改善が認められた。これらの結果から、前頭葉が持つ多様な機能の低下が、各々の運動障害に対するリハビリテーション効果に影響しているものと考えられた。このことから、Frontal assessment batteryによる前頭葉機能評価が、パーキンソン病でみられる歩行障害と姿勢反射障害などの運動障害に対するリハビリテーション効果を予測する指標となり、リハビリテーションがより有効な症例を見出すための評価ツールとなり得る考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パーキンソン病における前頭葉機能障害と運動障害へのリハビリテーション効果の関連は検討は行った。現在、歩行障害と姿勢反射障害へのリハビリテーション効果の相互への影響について検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
パーキンソン病に対するリハビリテーション効果に影響する要因を検出するための統計解析を行う。特に、歩行障害と姿勢反射障害へのリハビリテーション効果の相互への影響について検討を深める。
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Causes of Carryover |
学会発表が感染予防の観点から予定通りに行えなかったこと及びテータ処理と解釈をより精緻に行おうとしたことの2点が次年度使用額が生じた理由である。2021年度に研究を終了とする。
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